伊勢崎市某所で平成10年(1998年)に茎が確認され、2015年春には約30株の開花を確認したキンランとギンラン。その年、ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業の対象となり、以来、2025年度に至るまで保護保全活動が行われています。 この場所での発見を契機に、伊勢崎市内のほかの場所での発見も続き、2025年5月現在、6か所で確認されています。当サイトでは各所の確認状況を適宜紹介して参りましたが、全体を把握できるページがなかったため、今回、全ページの索引ページを作成しました。(2025/5/28 記) |
![]() クヌギと思しき樹木の根元で咲くキンラン7株 2024/4/30 |
![]() 手鞠のように球形に咲くキンラン 2024/5/2 ![]() 仲良く隣り合って咲くキンラン 2024/5/2 アルビノのキンラン
![]() 花弁に微かにクリーム色が残るアルビノのキンラン。 2024/5/2 ギンラン![]() 背丈が高く花弁数も多いギンラン 2024/4/30 |
以下、キンランに関するWikipediaの記事引用です。太字と赤色、下線はサイト管理人・丸男が付記。
【性質に関して】キンランの人工栽培はきわめて難しいことが知られているが、その理由の一つにキンランの菌根への依存性の高さが挙げられる。多くのラン科植物の場合、菌根菌は落ち葉や倒木などを栄養源にして独立生活している腐生菌である。ところがキンランが依存している菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成する樹木共生菌である。<中略> 外菌根菌の多くは腐生能力を欠き、炭素源を共生相手の樹木から供給されているため、その生存には共生関係を成立させうる特定種の樹木が必要不可欠となる。そのような菌から栄養分を吸収しているキンランは、樹木の作った栄養を、菌を通じて間接的に摂取しながら生きているとも言える。 <中略> このような性質から、キンラン属は菌類との共生関係が乱された場合、ただちに枯死することは無いが健全な生長ができなくなり、長期間の生存は難しくなる。自生地からキンランのみを掘って移植した場合、多くの場合は数年以内に枯死する。 <中略> 現在のところ、一般家庭レベルの技術で共生栽培を成功させる手法は確立されていない。 【保全状況】元々、日本ではありふれた和ランの一種であったが、1990年代ころから急激に数を減らし、1997年に絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)として掲載された。また、各地の都府県のレッドデータブックでも指定されている。同属の白花のギンラン(学名:C. erecta)も同じような場所で同時期に開花するが、近年は雑木林の放置による遷移の進行や開発、それに野生ランブームにかかわる乱獲などによってどちらも減少しているので、並んで咲いているのを見る機会も減りつつある。 |
(*1)群馬県では絶滅危惧種IB類(2022改訂版)、環境省レッドリスト2020(2019度改定)では絶滅危惧II類(VU)と指定。![]() |