ガソリン値下げの落とし穴
2008/1/21掲載 [
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民主党が党大会で「通常国会を生活第一、ガソリンの値下げ国会にする」と強調したようです。具体的にはガソリンの暫定税率(本則の約2倍だった)を今年度末で廃止すると言うものです。
ここでちょっと試算。
値下げ額は1リットル当たり約25円なので、燃費が12kmの車を1ヶ月500km乗るとすれば、値下げによる効果は
(500km/12km)リットル×25円=1,042円/月の出費減。
1ヶ月1,000km乗るとすれば2,084円/月の出費減。
燃料代としてのこの出費減が多いか少ないかは個人の判断に任せるとして、問題は、この話の落とし穴です。
それは、今のガソリン税は自動車重量税などと併せて「道路特定財源」として国と地方の道路整備に使用されて来たので、減税すると今後の道路事業に支障をきたす恐れがあると言う事です。
電車、バス、地下鉄等の公共交通網が発達している都会ならば影響は少ないのでしょうが、車依存率の高い地方で、道路整備が遅れるのは歓迎できません。
具体的に我が伊勢崎市を眺めてみても、やっと1本の高速道路整備がこの春に形になりつつある状況。上武道路もまだ延伸工事中で市内区間の南半分は暫定二車線供用。国道462号と伊勢崎ICへのアクセスも部分改良だったし、市内の主要な都市計画道路や東毛広域幹線道路も完全開通はまだまだ先のこと。
辛口な表現になりますが、どの道路も計画はできているもののまだまだ中途半端です。
この状況で、またその整備が遅れ、公共交通網も道路も不便と言う状況では、益々都市と地方の格差が広がります。
「地方なんか人が少ないんだから道路なんか不要」と言う中央の意見に従い、結局人口が首都圏に集中し、格差が助長され、今頃になって「都市と地方の経済格差を何とかしなければ」と問題視し、原因から対策しないからまるでモグラ叩きの様相。
今回の落とし穴を分かり易く表現すれば、安いガソリン代ばかりに喜んでいると、道路線形も悪く、幅員も狭く、交差点も危険で不備な道路に毎日イライラし、渋滞し、しかも遠回りの移動を強いられて、結局は時間と距離とが嵩み、出費の方が増えるなんてことにもなり兼ねないと言う事です。
話はずれますが、民主党は前回の参院選で「消えた年金」と言う事で勝利しましたが、次回も「生活問題」で二度目の勝利を狙っているのでしょうか?党利党略でなければいいのですが。
年頭に思うこと
2008/1/15掲載 [
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成人式の連休は正月休みが二度来たようで嬉しいものです。土曜日が休みならば3連休となり、市内の官民の建設現場が休日返上で急ピッチで頑張っているのに、私も多少の後ろめたさを感じながらも、結局3連休をしてしまいました。
初日の12日は雨模様だったので流石に家に引き篭もって丸くなっていましたが、日曜、月曜はいつものように自転車でブラブラと。ただ日曜日は上州名物の空っ風が吹きまくり、北に向かう時の自転車のペダルの重いこと。その代わり、背中に受けた時の軽快さは笑ってしまうようでした。お陰で外気温6度だったにも関らず、家に着いた時は防寒着の下のシャツが汗でビッショリで湯気が出るようでした。
ところで、年が明けての伊勢崎市内の建設現場は官民関らずどこも忙しそうです。
官の工事は年度末に忙しくなるのは例年のことですが、今年は緑化フェアがあるのでその関連の現場は特別に忙しそうです。ざっと見渡しても
・北関東自動車道・伊勢崎IC〜太田桐生IC間の本線工事やインターの工事(NEXCO)
・北関東自動車道・北側側道工事(群馬県)
・波志江沼環境ふれあい公園・整備工事(伊勢崎市)
・波志江沼環境ふれあい公園・園路橋工事(伊勢崎市)
・波志江PA・休憩施設工事(NEXCO)
・波志江PA・本線合流線工事(NEXCO)
・波志江PA・スマートインターや周辺道路改良工事(伊勢崎市)
など、国、県、市挙げての事業が急ピッチで進んでいます。
民間では(仮称)東部ショッピングモールの広大な敷地が今秋のオープンに向けて賑やかで、宮子町複合商業施設や市内のマンション建設等も着々と進んでいます。
単年度事業ではありませんが、JR両毛線の立体化工事や駅周辺の区画整理、北小改築や赤石楽舎、市庁舎東館、桐生県道の天増寺橋架け替え工事等も進行中です。
まだ始まってはいないようですが、354BPの延伸工事、西部公園の人道橋上部工工事、中等教育施設・・・等々、また、最近何箇所かで見掛ける民間の高齢者用施設・・・等々、遠からず着工になるのかと思っています。
昨日13日のサイクリングの帰り、上武道路と北関東自動車道が交わる眺めのいい場所に立ち伊勢崎市街地方面を暫く眺めていましたが、間断なく続く上武道路や北関東自動車道の通行車両の音を聞きながら、街中のあちらこちらに立つタワークレーンやトラッククレーンの一際高い姿を見ていると、「元気なのは東京だけではない」と言う実感を少なからず味わうことができました。
今年は緑化フェアの影響で色々な建設工事が一つの節目だと思っています。道路や施設の社会資本が整備されれば遠からず民間活力は刺激されます。そこに人が集まり、住環境や職環境が益々充実し、元気な街の誕生となります。今年もまだまだ目を離せない伊勢崎市です。
期待・新コミュニティバス
2008/1/5掲載 [
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【
新コミュニティーバス「あおぞら」の出発式の様子】
2008年春に運行予定の新コミュニティーバス「あおぞら」の「基本骨格図」を目にしてから、ずっとあることが頭に浮かんでいました。まずは下の図をご覧ください。図の左側が伊勢崎市のコミュニティーバスの基本骨格図、そして右側が東京の電車網図です。
どこか似ていますね。そう、規模こそ違いますが共通点があるのです。
その共通点とは両者とも中心に向かって放射線状に路線が集まっていることです。1258万人の東京都と21万人の伊勢崎市では人口規模でも60倍の差がありますので内容には桁違いの差がありますが、周辺全域から中心に向かって人々を運ぶと言う方針は共通です。
東京の場合には、更に毛細血管のように地下鉄や私鉄が走りターミナル駅間を繋いでいますので、正に人々の脚代わりですが、新ルートも規模は小さいものの環状線的に繋ぐルートもあります。
従来のコミュニティーバスは合併前の市町村の区域内でクローズしていた傾向がありましたが、今回の新ルートは四市町村合併後の全区域を1つとして検討したであろうことが伺え、旧町村の各役場と伊勢崎駅を主要地方道あるいは国道を利用して結んでいます。
人口が少ない地方においては、列車やバスの公共交通網の衰退と車社会への加速は表裏一体の現象で、伊勢崎駅もその例外ではなく、かつてあった多くの民間バス路線はほとんどが廃止され、上電、中央、東武の多くのバス路線が伊勢崎駅に集まっていた時代を知っている者としては現在の伊勢崎駅は寂しい限りですが、今回の新ルートを見て、人々が市営無料バスを利用して拠点間を移動し、街中や道路に人々が溢れる姿をイメージしています。
大袈裟に言えば歩いて数分の場所にも車で移動するのが地方都市の人々の習性ですが、バス利用が増えれば街中や歩道に人々が溢れる都会型の賑わいが戻ります。
東京と地方の経済格差、既成市街地の空洞化、公共交通網の衰退・・・と、現在、全国の多くの地方都市が抱える課題を例外なく集めている伊勢崎駅とその周辺ですが、伊勢崎駅周辺は、JR両毛線の高架化工事が着々と進み、駅周辺の区画整理や民間開発も同時に進行しています。JR両毛線の高架化の次には東武伊勢崎線の高架化工事も始まります。
これらの事業により、駅南北の交通の円滑化や駅周辺の街区整備が完成するので、それらの基盤整備に刺激されて住人が戻り、商業の賑わいも復活することと予想しています。
今回の市営の無料バス路線の新ルートはこの流れを更に強力にサポートし、伊勢崎駅周辺を始め市全区域の活性化に寄与してくれるものと、大いに期待しています。
企業誘致と地方財政
2007/12/21掲載 [
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以前、テレビ番組で九州南部のある地方都市を取り上げていました。
九州と言っても北部と南部では様相が異なっているようで、例えば北部には現在、トヨタ、ニッサン、ダイハツ等の自動車関連の企業が集積していて、労働力確保や販売マーケットも国内に止まらず、中国、東アジアをターゲットにしているので、大陸に近い北九州が地理的に有利な訳です。
福岡市を中心とする地区は今までも九州の大都会ですが、現在更にその流れが進んでいるようです。そう言えば、今春、前橋市にオープンしたショッピングモール「けやきウォーク」も、ダイハツの工場が北九州に移転した跡地にできました。
一方、九州南部は東国原宮崎県知事の営業活動でも知れ渡っているように、主に観光客誘致や地場の農畜産物の売り込みが中心で、巨大な産業基盤が集積し、またその流れが進行中の北部に比べると地方財政面ではちょっと弱いようです。
番組では、南九州のある地方自治体の管理職が登場していましたが、「市の財政を安定させるには、まず企業誘致。雇用促進と固定資産税収確保のためです。そのためには住宅地の整備も必須です」と語っていました。駅の至近距離に開発した住宅地でのインタビューです。家が建っている区画がポツリポツリだったので、今後の事を考えるとその市としても真剣な事業です。
あらゆる分野が集中して一人勝ちの様相を呈している首都圏を除くと、愛知経済圏、北九州経済圏、両者ともに産業集積での活性化です。
先日、国が、東京都と愛知県の税収を全国に再配分することを決定したと言うようなニュースを聞きましたが、何だか貧乏人がお金持ちにお金を恵んでもらうような感じがして、できれば自力で元気になりたいものです。
ワーキングプア
2007/12/17掲載 [
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NHKのドキュメンタリー「ワーキングプア」を見ました。過去2回の放送の反響が大きく、再々放送になった番組です。ワーキングプアとは働いても働いても貧困から脱却できない人々のことです。
まずショックだったのは冒頭の
「現在、日本には生活保護世帯より低い水準の世帯が、全世帯数の約1/10の400万世帯ある」との解説でした。
番組では何人かのワーキングプアの人物が登場しましたが、ここで特に気になった人々を何人か紹介します。
■北海道の田舎町の姉妹二人
二人の月収は手取りで16万円。父親が職を失い、そのため姉の方は進学を諦めた。姉妹は地元の同じ職場で料理賄いの仕事をしていて、賃金を上げてもらうために調理師資格を取ったが、上がったのは時給で10円。父親はその後の離婚をきっかけに鬱病になり、食事の世話も娘二人がしている。
■二人の子供を抱えた母子家庭の母親
家計を支えるために3つの仕事を持ち、1日の最後の仕事はある会社の深夜の伝票処理の仕事。子供を寝かし付けた夜10時に家を出て、帰宅は深夜2時。毎日の睡眠時間は4時間。
■秋田の地方都市の高齢の仕立て屋さん
かつて栄えたその街で従業員二人を雇い、オーダーメイドの大きな洋服屋を営んでいたが、街が衰退して周囲の店舗が次々に閉じ、今では仕事の内容はズボンの裾上げや制服の仕立て直し程度で、毎月の売り上げは2万円程度。
妻が痴呆症になり、年金は妻の入院費用で消える。税金が払えずに役所に相談したところ、生活保護を受けるには貯金の100万円を預けなければならない。この100万円はやがて訪れるであろう妻の葬式のために蓄えたもので、「せめて妻の葬式くらいは自分の力で出したい」と言う最低限の尊厳も法律の前には通用しない。
■岐阜県の縫製業
研修と言う名目で時給200円程度で中国人を受け入れている企業に価格競争で負け、ジリ貧の事業を続けている縫製業の夫婦。
これら登場人物の多くが地方に住む人々です。
番組は規制緩和、グローバル経済、自由競争・・・これらの行く着く先が地域衰退、地域格差、ワーキングプアを産み出す原因になったと伝えます。そして、ワーキングプアはまた新たにワーキングプアを産み出していると。つまり、現在の社会構造は貧困家庭で生まれた子供達はそこから脱却できない構造になっていると。
自由競争と言う意味は、「強い者が勝つ。弱肉強食」と言う事。そして「勝つも自由、負けるも自由、負けるのは自分の責任、負けて悔しければ勝てばいい」と言う単純な理論です。
この理論で日本に限らず世界中がグローバル経済に巻き込まれ、ワーキングプアを産み出し、アメリカ、イギリス、韓国、中国も日本と同様な状況にいます。例として、年収1000万円稼いでいたアメリカのソフトウェアエンジニアが、安い人件費のインドに仕事を奪われ、ハンバーガ店でアルバイトをしてトレーラハウスで生活していました。高血圧の常備薬もなくなり、医療費が捻出できず、健康不安を抱えています。
そのような中で、イギリスは弱者、敗者を救えない事は将来の自国を衰退させると気付き、国の政策として貧困層の自活の道を援助し始めました。
ある家庭の例では、息子達が職業訓練や仕事の場を与えられ、幼い娘は毎月生活補助金が支給されています。そのための国家予算は巨額ですが、「国が衰退して損失するであろう将来の出費を未然に抑える」との考えに立っているので成立する訳です。
自由競争は「負けるのは本人の能力不足、努力不足」と敗者が抵抗し難い理論。
3つの仕事を抱え、二人の幼子を養う睡眠4時間の母子家庭の母親が「まだ私の努力が不足しているのでしょうか」と言った言葉が悲しい。
貧乏人が負け、地方が負け、弱者を救えない社会、これがグローバル経済が目指したゴールではないはずです。
このような話題の時、いつも思うのが伊勢崎市の位置付けです。伊勢崎市はある経済誌で「急成長する都市」として紹介されましたが、東京(や愛知経済圏)対地方として捉えた場合、やはり一地方都市の範囲から脱却できません。せいぜい地域内格差の中で、多少優位にいると言う認識です。この優位性に甘んじてしまうと、大局的に見れば、いつかは同じ境遇に陥ってしまう不安があります。
基本的な解決のためには、国全体としてグローバル経済や自由競争の本質や目的を見直す必要があるのかと思います。
地方と都会の格差原因
2007/12/12掲載 [
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ちょっと乱暴ですが、こんな試算をしてみました。
地方の家庭。子供が3人。18歳から自宅を離れて首都圏の大学に通い、卒業後も首都圏に止まり28歳で結婚。3人がそれぞれ別のアパート暮らし。
一人が住居費と光熱費で1ヶ月10万円かかるとすると
●1年では・・・・・・12ヶ月×10万円= 120万
●10年では・・・・・・10年×120万=1,200万
●三人の10年分・・・・3人×1,200=3,600万
入学金や学費は除いて、3人の子供が田舎を離れて別々に都会暮らしをすると、10年間で3,600万円。逆に言えば、3人が生まれた家で28歳の結婚まで同居していれば3,600万円が不要になる計算。
若者が地方から離れて勉強や就職のために都会を目指し都会に暮らすと言う事は、当然ながら都会に金が集まり、地方が負担すると言う側面がある訳です。子供達が地方に止まって家族と同居していればこれらの出費が不要で、その分を地方で消費すれば、地方も元気になります。まして、大学在学中は家からの仕送りもあるでしょうから、地方の親が働いて得た収入が都会へ流れている構図になっている訳です。
「地方には学ぶ場所や働き口が少ない、楽しくもないし魅力もない、だから都会へ出る」
と、地方に生まれた多くの若者が考える発想でしょうが、その発想が更に更に地方と都会の格差を広げる原因にもなっています。
都会の退職者をあの手この手で受け入れようとしている地方自治体の話題を聞きますが、本来ならば、若い人達を迎え入れて生産年齢層の確保や出生率の上昇に寄与してもらいたいはず。
若い人達に魅力を感じてもらう街づくりとは何だろうかと考えることが、地方と都会の格差を縮めるキーワードのような気がします。幸い、伊勢崎市は近隣他市に比べて27〜45歳近辺の生産年齢層が多いと言うデータがあります。街全体の若くて元気な雰囲気がこの傾向を生みだしているのかと自己流に分析していますが、更に更にこの傾向を増強し、若者に魅力を感じさせる街になることを願っています。
中国のこと
2007/11/13掲載 [
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2007年11月4日の夜、NHKの番組で中国共産党の地方幹部の動きを追ったドキュメンタリ番組を見ました。
大雑把に内容を説明すると、中国は今重要な経済政策として、日本や欧米の企業の進出や投資や促すために国土を再開発しようとしていること、そのため、対象地となった地域の共産党幹部が東奔西走していること、非常に有体に表現すれば、地方幹部は日本のバブル期の「地上げ屋」のような動きをしていること、番組はその様子を追いかけたものです。
番組の中で印象に残ったのが、
・ある幹部のバイブル書がカールマルクスの「資本論」であったこと。
・フランスから交渉にやって来た役人が、「中国が共産主義なんてとんでもない、西側以上に資本主義を良く理解した資本主義者である」と語ったこと。
・立ち退きを拒む住民を身銭を切ってでも退去させる行動が、日本の「地上げ屋」を連想させたこと
などです。
数ヶ月前になりますがこのようなテレビ番組も見ました。
・ベルサイユ宮殿のような超豪邸に住む一日1億円儲けると言う中国の株長者の話。
・都市部では3〜5億円(日本円)の億ションが次々に売れると言う不動産開発業者の話。
・一方で、田舎に住む夫婦と息子が、海岸線の都市に不法就労に来て、その目的が田舎に置いて来た娘の高校の学費を稼ぐため、それでも3人で1ヶ月2万円程度しか稼げず、かつ強制送還の恐怖に常に怯えていること。
・中国奥地のダムの水は北京オリンピックのための都市開発や都市部住人が利用するためのもので、ダム周辺の農民は畑の作物が枯渇してもその水を利用できないこと。
最近、NHKを中心に中国の実態を報道する番組が増えたような気がしていて(たまたま私だけの関心かも知れませんが)、このような番組を見る度に中国に対する認識が新たになります。
実は中国が実質資本主義と変わらないと言う生の話は十数年前から情報が入って来ていました。中国に工場を持つ企業に勤めるある友人が、
「中国が共産主義なんてとんでもない。海岸部の都市ならばIBMだろうがNECだろうがどのメーカのパソコンだって自由に手に入るし、マクドナルドだって普通に街中にあるし・・・」
と話していたからです。
その頃はNECのPC98を買う度に「このコンピュータを共産圏へ輸出することは法律で禁じられています」と言う警告のメモが同封されていた時期です。
年収が既に200万円を越え、80万円ほどの車を購入し、洒落たマンションに住む中国海岸都市部の人達、一方で、水の利用さえままならず、年収も20万程度、高校にさえ行けない地方の人々・・・、
中国の共産主義は13億人を統括しきれないことによる、苦肉の策のような気がしています。
水商売
2007/10/30掲載 [
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昨日、伊勢崎の絣の里で開催された「国際交流のつどい」で、伊勢崎市水道局が飲料水のサービスを行っていました。聞けば、広瀬川上水場の地下水の水とのこと。一杯いただきましたが、美味しかったです。
また、先週の波志江沼の緑化フェアではボトリングした伊勢崎の水をいただきました。これも美味しかったです。
でも、率直に言うと、我が家で飲んでいる水道水と余り変わらない感じがしました。
以前、こんなことがありました。
東京に住む知り合いが我が家に泊まった時、コーヒーが美味しい、お茶が美味しい、ご飯が美味しいと。
「そりゃ材料のせいだろう」と自慢しましたが、結果的に原因は水でした。
その知人は、ご飯を炊くとき、米を研ぐには水道の水を使っても、最後のすすぎはペットボトルの水を使っているとのこと。それと美味しいコーヒーを飲みたい場合にはペットボトルの水を使うと。
私が東京にいた頃は、まだ飲料水に対して今ほどには話題になっていなかったので、正直、水道水で入れたお茶やコーヒーも特に不味いと思ったことはありませんが、伊勢崎にUターンしてから以降、東京の水道水はちょっと大変。
なかなかその味を表現できませんが、敢えて言えば、ポカリスウェットから甘味と柑橘系風味を除去し、1000倍に薄めたような、あるいは味の素を入れて1000倍に薄めたような、そんな人工的な味がします。カルキ臭が濃いと言うのではなくて、とにかくそんな味です。
現在、千葉に住んでいる娘達も、里帰りした時には、我が家の水道水を大きなペットボトルに何本も詰め込んでお土産に持って帰ります。
伊勢崎と言っても、書上、龍宮、波志江、広瀬、あずま、境、赤堀・・・と何ヶ所にも上水場があるので、どこのお宅も同じと言う訳ではないのでしょうが、我が家の水は美味い。
以前、テレビで「これから世界を制するのは石油でなくて水だ」と言う番組を見ました。その機を見越して、アメリカかカナダのどこかの企業が北極海の氷の使用権利を獲得したとか。
また東京ではウォーターバーなる店があって、世界各国の水をちょうどウィスキーを飲むようにグラスに入れて楽しむようです。値段も酒代と変わらず、中には酒よりも高いものもあるとか。
いわゆる、ウォータービジネス(水商売?)です。
日常、普通に飲んでいる伊勢崎の水道水、実はとっても価値のあることなのかも知れません。
赤福と白い恋人
2007/10/23掲載 [
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今年の夏、北海道の白いチョコレート「白い恋人」が賞味期限を改竄(1ヶ月延長)していたため、商品が店頭から消えました。また今月に入って三重県の銘菓「赤福」が偽装販売で三重県は無期限の営業禁止処分を行ったとのこと。「白い恋人」も「赤福」も過去から長期間に渡りこれらの行為を行っていたようです。
それぞれ、その地域の「お土産」の定番として人気があった商品で、私も旅行に行ったり通過したりした時には必ずと言っていいほど購入し、また、知人からもお土産でいただいたりと、何回も口にしています。
赤福は、東京の会社に勤務していた頃に、三重県出身の友達の父親が上京した時に、土産で持って来てくれたのが最初の出会いで、上品なこしあんに包まれたモチが何とも旨くて、それ以来のファンでした。もう、30年以上も前のことです。
「白い恋人」との最初の出会いは忘れましたが、知人が北海道へ行く時の土産には、必ず「白い恋人」が入っていました。クッキーに包まれたホワイトチョコがサクッとした歯触りで、気に入っていました。
これだけ全国区で有名になるにはそれなりの努力と歴史があったと思いますが、永年の努力の結果が不正な製造で一挙にその座を失ってしまいます。また、これだけの地域ブランドになると、その地域の街づくりや地域の知名度向上に対しても共存共栄の側面があり、一菓子製造会社の問題として抹消してしまうには代償が大き過ぎるのかと憂慮しています。
三重県の人が「あぁ、例の赤福の三重県だね」って言われるのは嬉しいことじゃないはずです。
伊勢崎の地元で言えば「もんじゃ」や「焼き饅頭」などが同様な問題に引っ掛かればイメージダウンが相当に大きいと思います。この辺のイベントと言えば焼き饅頭や「もんじゃ」は定番ですし。「もんじゃ」などは東武伊勢崎線の起終点である「浅草」と「伊勢崎」がその発祥の地として認知されていて、「もんじゃの町・伊勢崎」はその道のファンには周知のことです。
「赤福」や「白い恋人」には是非とも再起を図り、お客さんからの信用を回復してもらいたいものですが、地域ブランドレベルの食品製造会社には、くれぐれも不正な製造は止めていただきたいと思っています。
利益追求のためのコストダウンは経営には必須のことでしょうが、このような事態になると一企業の浮沈だけの問題じゃぁないですから。
去る者、来る者
2007/10/20掲載 [
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去る10月12日、丸井の銀座初進出店「有楽町マルイ」がオープンしました。
この度オープンしたJR有楽町駅前の複合商業施設「有楽町イトシア(下記*に注記)」にテナントとして入ったとのこと。
JR有楽町の南東口からマリオン(元朝日新聞本社があった場所)までの間は、かつては小さい雑居ビルが建ち並び、私も東京にいた頃、会社の帰りに銀座へ出向いた時にはこの雑居ビル街の角地の立ち食い蕎麦屋さんで腹ごなしをして、銀ブラ(古!)をしたことがあります。
余談ですが銀ブラは楽しんだものの銀座で買い物をした事は少なく、日常の消費はもっぱら「戸越銀座」でした。そんな場所知りませんよね(^^;)。スミマセン、品川・戸越に住んでいたことがあるので。
地元伊勢崎へUターンしてから、東京出張の帰りにマリオンで映画を観て帰る時にも、この雑居ビル街で腹ごなしをするのが常でした。それだけ親しみ易く有楽町、銀座の着飾った空間の中でもサラリーマン向きの場所でした。
その場所が、20代、30代の社会人に客層を広げたお洒落なデパートに変わり、またまた東京の「田舎」が消えました。
丸井の進出に刺激を受けた銀座の老舗の店舗は、逆に対象顧客層を若年化したとのことで、中高年の富裕層をターゲットにした高級店が並ぶ銀座が若返るようです。
丸井と言えば、前橋市から撤退したのは随分と前のことですが、「撤退する地もあれば進出する地もあり」で、またまた「地方の衰退と東京の発展」を感じさせた話題でした。
(*)「有楽町イトシア」
映画館やレストランなどがある「イトシアプラザ」(地上4階、地下1階)と、丸井の「有楽町マルイ」が入るオフィス併設ビル(地上21階、地下4階)の2棟。テナント数は45店舗。
桐生専門店会の破産
2007/10/12掲載 [
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桐生市内の約600店で使える商品券を発行している協同組合「桐生専門店会」がこの10月10日に破産し、負債額約1億、別途未換金の商品券が約9,000万円分あるとのこと。
1952年に設立以来55年間、独自のクレジットカードと商品券システムが桐生市民に愛用され続けましたが、数年前からの経営悪化から回復できずについに破産したようです。 |
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この破産のニュース、私は非常に寂しい気持ちで聞きました。
桐生市は、かつては「東の京都」として、歴史的・文化的に前橋や高崎とは一味違った個性や存在感を持っていて、大川美術館、水道山公園、吾妻公園、桐生が岡公園など、子供達が小さい頃には良く訪れました。ウチのカミさんなどは、若い時のお洒落着の買い物は桐生市のブティックだったとのこと。ノコギリ屋根の工場や明治大正時代の木造洋館などもいかにも桐生らしく、その雰囲気が気に入って何回か歩いてみたこともあります。
ただ、街中を流れる渡良瀬川や背後に控える丘陵や山並みが車社会への対応を困難にし、結果的に、道路事業や宅地・工場・商業用地等の造成事業が遅れ、街全体の発展にブレーキをかけ人口減の原因を作ったのかと考えています。
傾斜地を切り崩し、前にも後ろにも擁壁を作って平坦地を作り出すのは、平らな地形から比べたら非常にコスト高です。
このサイトでも紹介した「週刊エコノミスト」・2006/4/4日号の「自然淘汰される都市が激増」の記事で、桐生市は5段階分類の内の「淘汰」される市に分類されていました。
その主要因は人口減少で、隣り合う太田市や我が伊勢崎市が人口増なのに、桐生市のここ数十年の人口減少は非常に顕著です。そのため大規模商業施設や大企業誘致等も少なく、旧街中の衰退振りは大きな問題です。群大の学生や街中商店主達が共同研究で街中の活性化を図るなどの話題も聞こえて来ますが、現時点では、衰退の流れを食い止めるには至っていないようです。
東京と地方都市の格差、地方内における地域格差、様々な格差が問題視されている昨今、同じ地方都市に住む私達にとって、桐生市のこの事件は「明日は我が身」の心境です。
一市民の立場でできることはとても微力なことですが、無力感に陥らずに
「どんな状況になっても元気を失わない。何かできることを探す」
と言う姿勢が重要なのだろうと言う思いを新たにした事件でした。
北関東・緑化フェア前の開通を!
2007/10/11掲載 [
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北関東自動車道の伊勢崎−太田インター間は2008年9月末が開通予定でしたが、群馬県は来年3月末から始まる「全国都市緑化ぐんまフェア」の前に開通するよう求めているとのこと。要望通りに開通できれば予定を半年短縮することになり、緑化フェアの来場者のアクセス改善に大きく寄与することと思います。
私も、北関東の側道がJR両毛線を跨ぐ橋梁の近辺から、本線工事の様子を月に何度か見学に行きますが、見渡す範囲では本線の舗装も最終舗装を残す程度に進捗し、見た目には道路本体を来年3月に開通させるのは可能かも知れない、と考えています。
ただ、料金所等のインターの設備や防音壁等の附帯工事は未着手の様子で、また、電気設備や標識工事等の細かい工事もまだまだ残っていそうですから、実際どれくらい短縮できるのか見当が付きません。
とは言え、来年の緑化フェアは群馬県上げてのビッグイベントで、当地伊勢崎市も「波志江沼環境ふれあい公園」をサテライト会場として、多くのリレー会場を持っていますので、例え突貫工事になったとしても、是非ともイベント開始時期に間に合わせてもらいたいと思っています。特に「波志江沼環境ふれあい公園」は伊勢崎インターにも近く、現在も波志江沼の園路橋架設や公園整備が鋭意進行中です。
何事もタイミングが重要です。いくら美味しい最高級料理も、他の料理でお腹が一杯になってから出されても美味しくもありません。例えがお粗末でしたが、心情としてはそのような気分です。是非とも緑化フェア前の開通を!
目からウロコ
2007/10/04掲載 [
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昨夜のビジネスニュースでハンバーグ業界の競争のことを取り上げていました。
モスバーガーやマクドナルド、ロッテリアなどチェーン店の新たな戦略。それに対して地場の独立ハンバーグ店の戦略。そのどの店も共通な方針がありました。
それは「値段を上げないこと」。
国民の収入が下がっている現在、値上げは絶対にできないと。以前、1,000円の高級ハンバーグを発売して失敗したモスバーガーはその過ちを二度と繰り返さないと反省していました。
その代わり、新しいメニューを加えたり、新しい食材を取り入れたり、長年親しまれていた既存のメニューに対してさえも更に味に工夫を加えたりと、値上げをせずに努力を加えることで戦い抜こうということです。
ハンバーグ業界が原価が上がっていても値上げをせずに収益を保っていると言う事はこれらの努力に支えられているようです。
仕事が減り、仕事の単価が下がり、売り上げが減り、「もうやってられな〜い!」・・・
と不景気な社会情勢を嘆いているばかりでなく、「努力をする」と言うビジネスの原点に立ってのこの姿勢、何だか目からウロコでした。
他山の石にしなければ。
地域ブランド
2007/10/2掲載 [
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地域ブランドはその地域の特産品や観光地、企業の「ブランド」ばかりではありません。
私達地域の住人が認識できて経済効果や文化的効果などを期待できれば十分に「地域ブランド」です。「癒される場所」とか「元気な街」などの無形のイメージでさえ地域ブランドです。
と言う事で一つ紹介。
それは「彼岸花咲く街」。
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伊勢崎は東地区のコスモス畑や赤堀の「小菊の里」、「蓮園」、「花菖蒲園」、華蔵寺公園のサクラやツツジ、境町のルピナスやぼたん、西部公園の花畑、その他、街中や郊外のそこかしこに四季折々の花が咲いていて訪れる人の目を楽しませてくれますが、なかなかメジャーになれないのが「彼岸花」。
先日、我が大親分が境三ツ木の「彼岸花の里」を訪れ写真を撮影してくれましたので皆さんにも紹介しましたが、先週、いつものサイクリング取材コースを走っていても、街中や郊外のあちらこちらで咲いていて、これも皆さんに紹介しました。
緑の空間に真っ赤な鮮やかな色、遠目にもすぐに目に飛び込んで来るのでついついそばに近寄ってしまいます。仏教の経典では「天上花」の意味があり、幸福なことが起きる予兆として天上からヒラリヒラリと赤い花びらが舞い下りて来るとのことです。
こんな幸せの花も、全草有毒なため、ネズミ、モグラ、虫除けのために田んぼの畦道やお墓に植えたりした生活の知恵があったようで、それが人々に嫌われたりした原因にもなっていたようです。
でも植物の毒性と言えば、有名なトリカブトに限らず、エニシダ、クリスマスローズ、ケシ、オキナグサ、ドイツスズラン、バイケイソウ等々、日常観賞している中にもたくさんあります。
どれも可愛い花たちで、それを食べたりする人はいなくて観賞したり育てたりしています(トリカブトは例外のようですが。それと有毒のケシを栽培すると逮捕されますね)。
この彼岸花、この季節に本当にあちらこちらで見かけます。先週だけでも波志江町や赤堀、東の田園地帯、赤堀・五目牛の胴山古墳、伊勢崎PA周辺、華蔵寺公園、広瀬川サイクリングロード等々。多分、皆さんも車から降りて周囲を見渡せば、そこかしこで発見できると思います。
境三ツ木の「彼岸花の里」は群生しているのでその迫力は見事ですが、田園風景や川の堤防の彼岸花もまた密やかで風情があります。
ところで、この彼岸花、もし大都会東京だったら日常の生活の場面で見ることはできません。また、山深い場所にも咲いていません。
その昔、たった1つ中国から持ってきた球根が、生活の知恵で全国に増えたとされている彼岸花、言い換えれば、彼岸花が咲いている場所は、現在そこに人家がなくてもかつては人々が住んでいたことの証。そのくらい人々の生活に密接な花なのです。
伊勢崎の場合、例え街中に住んでいても、車で5分、10分で郊外の田園風景や緑多い場所に移動できます。この地理、地形の中で当然のように接することができる彼岸花も、大都会や山奥から見れば十分に「地域ブランド」です。
彼岸花を地域ブランドとしてメジャーにしたいと誇示するものではなく、自分達の地域の良さを発見するのに、「視点を外(大都会や山奥、あるいは近隣の市町村)に置くと新たな発見ができますよね」と言ったメッセージでした。