■日時:2016年(平成28年)1月15日。11:00〜 ■場所:赤石楽舎 ■総合司会;杉原みち子さん ■内容 上毛新聞社会長・渡辺幸男さんと伊勢崎市教育長・徳江基行さんの祝辞に続き、制作担当の職人さん全員の自己紹介。伊勢崎銘仙との関わりやエピソード、当プロジェクトに対する想いと期待を語っていただきました。「機織りはしなくていい」と言われた嫁ぎ先で、嫁いだ直後から機織りに明けくれたこと、自分たちが着ることはできないと言われて織り続けたことなど、笑いと涙のエピソード、また今回のプロジェクトを一過性のものにしたくないと言う力強い意見などを聞くことができました。
須藤玲子さんデザインの布柄の中から選ばれた候補3点も紹介。1月9日、事前に行われた選考会の3作品の内、一点変更がありました。 また、福島うた子さんが経(たて)糸の”引っ込み作業”を実演。見学者の目の前で、休むことなく繰り広げられる細かい手作業、またそれらの作業用に工夫された手作りの器具類は多くの人に取って初めて目にする光景で、その作業の緻密さにため息や感嘆の声が飛び交いました。 参列者も予想を越えて多く、発足会の予定時間1時間は大幅にずれ、午後1時頃まで協力者や参列者、スタッフの相互交流を図っていました。 |
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参加者、参列者
デザイン
(取材・記録:上岡(Go!伊勢崎))
制作
事務局
経済産業省
群馬県
伊勢崎市
伊勢崎織物協同組合
学校
伊勢崎商工会議所
議員
報道
プロジェクト協力者
キックオフ当日のスタッフとして協力いただいた皆さん
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祝辞 |
上毛新聞社会長 渡辺 幸男さんきっかけは2013年に上毛新聞社主催で開催された「The・銘仙 里帰り」(*)。会場もここ「赤石楽舎」でした。展示された伊勢崎銘仙の現物を見て、想像を絶した芸術性、デザイン性に驚き、伊勢崎銘仙に対する過去のイメージが払拭されました。その展示を企画した金井珠代さんに、この銘仙は今でも制作できるのかと尋ねたところ、職人さんを一人一人あたって協力いただければ可能性があるとの返事。それならば上毛新聞も支援するので、富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に登録されたことを記念して併用絣を制作し、伊勢崎市やいせさき明治館に寄付して保存し、30年後、50年後、100年後の人たちに伝えたい。平成28年の技術者が結集して作り上げたと言う歴史を残したい。 そして最も心配したのがデザインのこと。縁あって須藤玲子さんの協力を得ることができて安心。職人さん始め、多くの方々の協力なしでは完成しない併用絣。是非完成させて、後世に残して欲しい。 (*)「The・銘仙 里帰り」。2013年9月7日(土)、伊勢崎市「赤石楽舎」で開催。「(財)日本きもの文化美術館(福島県郡山市熱海町)」所蔵の伊勢崎銘仙・併用絣30点を展示。 上毛新聞社主催。 |
伊勢崎市教育長 徳江 基行さん伊勢崎に生まれ、伊勢崎で育ったが、若い頃は「群馬県伊勢崎市出身と言うことを胸を張って言えなかった」。教育長就任後、銘仙に携わる多くの人たちと接し、また田島弥平旧宅で象徴されるように、この地域を作った人たちのチャレンジ精神に感銘。教育長として、この地域の子供たちに先人たちのチャレンジ精神、素晴らしい実績を伝えたい。実家も養蚕業だったが、今の子供たちには、養蚕と言うよりも絹の感触を知り絹製品に触れ、お洒落を体験して欲しい。そして地域の産業に自信を持ち、これを生み出した先人たちに誇りを持って欲しい。それは教育的価値もあること。 平成26年から始めた「ふるさと学習」では、全ての子供たちが一度は銘仙を着て、伊勢崎の学校を卒業して行く。子どもたちが銘仙を着て京都の街を歩いた時、京都の人に「それ、どこの着物ですか?」ではなく「それ、伊勢崎銘仙でしょ」と声をかけられたことに感動し忘れぬ記憶になったこと。このことは10年後、20年後に素晴らしい教育的効果をもたらすと確信。この伝統技術を支える職人の皆さんには、是非ともご協力いただき、プロジェクトを成功させていただきたい。 |
須藤玲子さんからの祝辞残したい日本の布「伊勢崎銘仙」本日の伊勢崎銘仙復刻プロジェクトのキックオフ!遥か、東京六本木からエールを送ります。会場には、今回の併用絣を復興するため、デザインを描いたNUNOの堤有希が参加しています。 さて、日本には世界に誇る文化、工芸、風習の伝統が多くあります。こうした伝統も、時代とともに消滅したり、大きく変化しています。伊勢崎銘仙は、国内外の美術館が学術的な見地から、「残したい日本の伝統織物」のひとつにあげています。 時代の流れにより、一旦は消えてしまった「伊勢崎銘仙」を残そうと強い意志をもった二人の女性がいます。「いせさき明治館」の金井さん、そして「いせさき銘仙の会」の杉原さんです。お二人の強い意思により、伝統が残るのです。 伊勢崎銘仙には伝統に相応しい価値があります。私たちNUNOは、この貴重な瞬間に関われる感動に酔いしれ、どのような絹織物が仕上がるのか、今から楽しみです。 株式会社 布 テキスタイルデザイナー 須藤 玲子
→須藤玲子さんのプロフィール |
職人さんの紹介 |
→別途こちらで紹介 |
須藤玲子さんデザインの図柄3点紹介伊勢崎銘仙・2016デザイン図案を説明する堤 有希さん(株式会社布) 赤いレンガ造り ツツジ 時報塔(じほうとう) ※「赤いレンガ造り」と「時報塔(じほうとう)」は須藤玲子さんデザイン、「ツツジ」は堤 有希さんデザイン 赤いレンガ造り伊勢崎には今も、街のあちこちに明治時代に建設された赤いレンガ造りの建物が残っています。例えば、上毛撚糸の紡績工場跡、徳江製糸所の工場と従業員寮を結ぶ赤レンガのトンネルなど、どれも魅力的です。 そんな伊勢崎のレンガ造りの建物の風情を、ジオメトリック(抽象的)に表現したデザインです。ツツジ華蔵寺公園に群れ咲くツツジは伊勢崎市のシンボルです。小さい頃、誰もが一度はつつじの蜜を吸ったことがあると思います。ツツジは、そんな身近な花です。美しい色彩のグラデーションは、見事なツツジの花をモチーフにしたイラストレーションのデザインです。時報塔(じほうとう)大正時代に、伊勢崎の街に時刻を刻んだ「旧時報鐘楼(きゅうじほうしょうろう)」。ドーム屋根とルネッサンス風の窓が特徴の建造物で、重要文化財に指定されています。時報塔とそれを囲む家々を生き生きと描いたデザインです。 |
福島うた子さんの”引っ込み”実演 |
→こちらのページで動画で紹介 |