引っ込み作業 [ 21世紀銘仙・Index伊勢崎銘仙・全体案内 ]  [ Home ]



いせさき併用絣を紡ぐプロジェクト

引っ込み作業

今回の経糸を使用した引っ込み作業→(準備綜絖(そうこう)通し筬(おさ)通し)|キックオフ時のデモンストレーション
更新日:2016/10/24
■日時:2016年(平成28年)4月27日、7月22日、ほか
■場所:いせさき明治館(群馬県伊勢崎市曲輪町)
■実演者:福島 うた子さん
■内容
 ”引っ込み”とは捺染を終えた経糸(たていと)を綜絖(そうこう)と(おさ)に通す作業です。
 今回の経糸を使用した”引っ込み作業”を動画3編に分けて紹介。→”引っ込み”の説明はこちらを参照
その1:準備作業
その2:綜絖通し(そうこうとおし)
その3:筬通し(おさとおし)

取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/7/14 記

その1:準備作業

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 引っ込みの準備として、綜絖子(そうこうし)の両端を金属棒に通します。今回の経糸(たていと)の数は1,260本。使用する綜絖子はそれに少し余裕を加えた本数とします。


引っ込み作業(その1:準備作業)(2分36秒) 2016/4/27

その2:綜絖(そうこう)通し

掲載日:2016/8/12 ▲ページTopへ
■日時:2016年(平成28年)7月22日
■場所:福島うた子さんの自宅(群馬県伊勢崎市下蓮町)
■制作者:福島 うた子さん
■内容
 捺染を終えた経糸(たていと)を綜絖(そうこう)と(おさ)に通す”引っ込み”。ここでは、綜絖(そうこう)通しを紹介します。引っ込みを行う経糸は「赤いレンガ造り」。
 今回の併用絣プロジェクトでは、当初、綜絖は2枚使用としていましたが、試し織りの結果、綜絖の上下の動きが重く、4枚使用に変更しました。福島さんには4月時点で2枚綜絖での引っ込みを完了していただきましたが、4枚綜絖で再度やり直していただきました。
 今回使用する4枚の綜絖(そうこう)のうち、経糸を通す順序は1番目→3番目→2番目→4番目
 綜絖通しを完了すると、通した経糸の端部を結び、綜絖と「お巻き」の間のあや棒を引き抜きます。続いて綜絖を架台から取り外し、経糸の端部にあや棒を通し、「お巻き」と一緒に束ねて綜絖通しが完了です。

 【道具に関して】
 今回使用の綜絖(そうこう)の目(孔)の向きは正面を向いていますが、少し右を向いていた方が糸を通し易いとのことです。孔が、かぎ針を持つ右手の方に向いていた方がかぎ針を通し易いためです。

取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/8/12 記

引っ込み作業(その2:綜絖(そうこう)通し(4分25秒) 2016/7/22


綜絖(そうこう)通しを行う福島うた子さん

綜絖(そうこう)通しを行う福島うた子さん

綜絖子に通された経糸

4つの綜絖子の引っ込み順序

綜絖通し手順

今回使用した綜絖子(そうこうし)

かぎ針の先端

福島うた子さんが工夫したかぎ針

その3:筬(おさ)通し

掲載日:2016/10/24  ▲ページTopへ
■日時:2016年(平成28年)7月22日
■場所:福島うた子さんの自宅(群馬県伊勢崎市下蓮町)
■制作者:福島 うた子さん
■内容
 綜絖(そうこう)通しを行った同日、引き続いて(おさ)通しを行いました。
 綜絖通しは小さな機織り機のような木製架台に取り付けましたが、筬通しの作業環境は至ってシンプル。特別な装置は使用せず、木枠にはめ込んだ筬を足元に置いて、筬の端から端まで糸を一本ずつ通して行きます。糸を通す道具は先端がL字形になった金具。この道具を筬の後ろから挿入し、L時部分に糸を引っ掛けて、引き戻します。
 福島さん宅の家業は昔から理髪店で、家業の合間に引っ込みを行っていたとのことで、一昔前までは綜絖通しがうた子さん、筬通しはご主人が担当していたとのことです。まさに家内工業に支えられた伊勢崎銘仙の製造工程です。
取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/10/24 記

引っ込み作業(その3:筬(おさ)通し)(2分56秒) 2016/7/22


筬(おさ)通しを行う福島うた子さん

筬(おさ)通し

木枠にはめ込んだ筬


長さ=1尺1寸=41.69cm、羽の数=60羽(1寸の間に60枚の羽根)
筬の高さ=85mm、材質 羽=ステンレス、枠=竹

キックオフ時のデモンストレーション

更新日:2016/1/24 ▲ページTopへ
■日時:2016年(平成28年)1月15日。12:00〜
■場所:赤石楽舎(群馬県伊勢崎市曲輪町)
■実演者:福島 うた子さん
■内容
 ”引っ込み作業”とは、下記2つの連続した工程の総称です。
綜絖通し(そうこうとおし、threading):綜絖枠の中に並べられた「綜絖糸(そうこうし)」に経(たて)糸を通す工程。
筬通し(おさとおし、sleying):綜絖通しされた経糸を筬(おさ)に通す工程。
  綜絖通しは1本ずつ通しますが、筬通しは布の種類によって通す本数が違います。今回の併用絣プロジェクトでは、筬には2本ずつ通します。

 休むことなく細かく動く指先は手品師のようにしなやかで、目の前で凝視していても追い駆けることができません。全ての神経が綿密に組み込まれた精密機械のようで、まさに職人技です。伊勢崎銘仙全盛時には少なからぬ人が修得したであろう引っ込み作業。今回のプロジェクトでは福島さんの他には見つからなかったようです。

取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/1/24 記

引っ込み作業実演(4分15秒) 2016/1/15


引っ込み作業実演(福島うた子さん)

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