2017年11月5日、赤堀コミュニティひろば(伊勢崎市西久保町)で「欅祭あかぼり」が開催され、会場南側に隣接した「赤堀歴史民俗資料館」の庭では、足踏み式縄ない機の体験が行われました。赤堀自然里山クラブと赤堀歴史民俗資料館との共催です。 縄ない機は昭和初期から昭和40年代まで使用されたとのこと。普及したのは昭和20年代とも言われています。今回使用した機械は、平成14年3月、赤堀町大字市場(当時)の町民の方から寄付されたものです。 メカニズムが全て露出している縄ない機。それゆえ、個々の歯車やクランク、シャフト等の役割を簡単に理解できそうですが、3次元的に複雑に動く各部品を観察していても、正確に理解するのは容易ではありません。機構の正確な解明は別の機会に委ねるとして、取材の範囲で理解した縄ない機のメカニズムは・・・ ■2つのラッパ管から藁(わら)を順次挿入し、一本の縄に仕上げてドラムに巻き取る装置。 ■動力源はペダルを両脚で踏む上下運動。 ■この上下方向の往復運動を種々の歯車やクランク、シャフト等を使用して各部品の回転運動に変換。 ■材料となる藁は、事前によくすき取り、水で濡らし、棍棒で叩いて柔らかくしておくことが望ましい。 ■ラッパ管先端には、断面が半円形の薄鉄板が取り付けられていて、藁を挿入し易くなっている。 ■藁の挿入はタイミングを外さず挿入する必要がありますが、当時は、藁の挿入と足踏みとを一人で行ったとのこと。 ■ラッパ管を通過すると、藁がよじられる。 ■よじられた2本の藁は一本にねじられ、ドラムに巻き取られる。 ■ドラムは自身の回転軸を中心に回転し、ドラムが取り付けられたフレーム全体も回転する。 ■縄はドラムの回転により引っ張って巻き取られる。 今回使用した縄ない機の製造年は確認できませんでしたが、昭和20年代とすれば約60歳。60年を経た今もなお現役で作動する農機具。現在のIT機器や家電ならば寿命は5~10年程度。壊れていなくても新商品が次々販売され、エコ対策、省エネタイプ、省スペース、安全対策強化、セキュリティー強化などをうたい文句に、「いつまでも古い商品を使っていると損ですよ」的な風潮が流れて、不承不承ながらも交換せざるを得ない状況にもなっています。 人力だけで作動する今回の足踏み式縄ない機。機械製品の原点を教えてもらった想いです。(2018/2/2 記) |
足踏み式縄ない機体験 2017/11/5(3分40秒) 足踏み式縄ない機体験。赤堀欅祭の来場者が立ち寄ってくれました。 2017/11/5 |
2つに分けた藁がラッパ管に挿入され、一本の縄によじられてドラムに巻き取られます |
|
ラッパ管~食い違い歯車 |
|
いくつもの歯車が噛み合って、各部品が複雑に動き、縄がよじられて巻き取られます |
ドラム |
ハンドル |
今回使用した縄ない機のフレームの寸法図 |
製造は株式会社三浦製作所 |
代理店は岩崎農機店。町名の部分が判読できません。 |
藁打ち 藁すき道具 |
藁打ちの木槌 藁すき道具 |