■日時:2016年(平成28年)3月28日、6月12日、6月24日、他 ■場所:いせさき明治館(伊勢崎市曲輪町) ■制作者:都丸佳男さん、高橋千代さん ■内容:緯糸の板巻き 緯糸(よこいと)の板巻きとは、コーンに巻き取られた緯糸を数本まとめて(*1)手に集め、指先の力で緯糸に適度な張力を加えて板に巻き付ける作業です。指先に加える力が熟練を要する技で、強過ぎると糸が切れ、弱過ぎると巻きが緩みます。注意しながら巻いても、糸自身の強さや何かの加減で時には糸が切れることがあります。すぐに回転を停止して(*2)糸をつなぎますが、切れてから停止までの瞬間に数回は巻き進んでしまい、切り口を探すのも一作業です。高速で回る板、緯糸は真っ白で一本一本の区別が難しく、巻き終えるまで注意を怠ることができません。 今回のプロジェクトに際し、緯糸巻き機は借用後いくつかの修理と改良を加えました。その中で、板の回転速度を減速するために、プーリーの構造を1段から2段へ変更しました。今回、板巻き作業について、下記3回に分けて取材しました。プーリー改良前後の速度の違いとその差による板巻きの様子などを動画でご覧ください。 なお、緯糸の板は一反当たり約4枚半使用します。 1編 プーリー1段(2016年3月28日) 都丸佳男さん(*3) 2編 プーリー2段(2016年6月12日) 都丸佳男さん 3編 プーリー2段(2016年6月24日) 高橋千代さん(*4) 取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/7/25 記
(*1)今回は4本。当時は4本や5本があったが、5本が一般的だったとのこと (*2)停止はクラッチを切断します。 (*3)都丸佳男さん(伊勢崎市在住。S.12.3.4) 「平和織物」と「平達織物」にそれぞれ約9年間勤務。昭和47年、「都丸織物捺染工場」を設立。 (*4)高橋千代さん(伊勢崎市在住。S.13.10.26) 20代の頃、「新船染物加工工場」に勤務し、約5年間緯糸の板巻きに従事。 都丸佳男さんによるプーリー1段時の緯糸の板巻き 2016/3/28 |
都丸佳男さんによるプーリー2段時の緯糸の板巻き 2016/6/12 高橋千代さんによるプーリー2段時の緯糸の板巻き 2016/6/24 ▲ページTopへ 緯糸の板巻き 動画で紹介緯糸の板巻き(6分9秒) 2016/3/28、6/12、6/24 |
緯糸の送りのメカニズム。回転軸に刻まれたねじが緯糸固定用の部品を移動させます。 停止のメカニズム。緯糸固定用の部品がストッパーに到達して押し込み、クラッチが外れます。 緯糸巻き用の板に新聞紙を巻きつける方法。 新聞紙は霧吹きは不要。平らに伸ばすだけで良い。 |