緯糸巻き機 駆動部修理、ピッチ確認と調整 [ 21世紀銘仙・Index伊勢崎銘仙・全体案内 ]  [ Home ]



いせさき併用絣を紡ぐプロジェクト

緯糸巻き機 駆動部修理、ピッチ確認と調整

駆動部修理|ピッチ確認と調整
掲載日:2016/2/26

緯糸(よこいと)巻き機の駆動部修理

■日時:2016年(平成28年)2月21日、14:00〜。2月23日、10:00〜
■場所:いせさき明治館(伊勢崎市曲輪町)
■協力者:高木健太さん(プロジェクト協力者、太田市在住)、金井珠代さん(プロジェクト責任者)
■内容:緯糸(よこいと)巻き機のモーターを3相200Vから単相100V(一般家庭用電源)へ交換。

 今回使用した緯糸(よこいと)巻き機の電源は3相200V。動作確認時には作業場所をお借りした大山整形さんに3相200V電源が整備されていましたが(→記事はこちら)、実際の作業場所は「いせさき明治館」で単相100V。「いせさき明治館」に3相200Vを整備することや他の作業場所を探す等の案を検討した結果、予算の関係や今後の利便性等を考慮し、駆動部(モーター)を3相200Vから単相100V(一般家庭用電源)へ交換することに決定。交換工事を担当してくれたのは、電気工事を専門とする若きエンジニア・高木健太さん(太田市在住)。当プロジェクト責任者・金井珠代さんの甥ごさんです。休日や夜勤明けの合間を縫って、下見から交換、調整まで何度も駆けつけてくれました。

取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/2/26 記

(1)モーター交換前

(3)新しいモーター設置

(4)交換作業中の高木さん

(2)元のモーター取り外し後

(5)交換工事完了。Vベルトも新品と交換。

元のモーター

新しいモーター





元のモーター 新しいモーター
メーカー HITACHI
TYPE EFOU EFOU-KT
FORM K
PHASE THREE(3相) SINGLE(単相)
POLES 4
OUTPUT 200W
VOLTS 200V 100V
CYCLE 50
R.P.M. 1430 1440

掲載日:2016/2/23 ▲ページTopへ

緯糸(よこいと)巻き機のピッチ確認と調整

■日時:2016年(平成28年)2月10日、11:00〜。2月11日、10:00〜。
■場所:いせさき明治館(伊勢崎市曲輪町)
■協力者:石井広美さん(捺染加工担当)、金澤經明さん(調整担当)、
       新井正直さん(プロジェクト協力者、桐生市在住)、武 忻次(たけ きんじ)さん(伊勢崎市在住)
■内容:緯糸(よこいと)巻き機の巻き取りピッチの確認と調整。

 緯糸(よこいと)巻き機の巻き取りピッチが、今回制作する併用絣に求められる緯糸ピッチに適合するかを確認。具体的には一寸(3.79cm)内に巻かれる糸の数をカウント。

 その結果、現状では一寸内に31本で本数が少な過ぎることが判明。機械の内部を確認しても可変機能は付いていません。苦肉の策として、本数が多過ぎる場合には、織り子さんが一定間隔で糸を間引きしながら織ることも可能ながら、少な過ぎる場合には対策がないとのこと。対処法を断念しかける頃、ピッチを決める軸棒に取り付けられた歯車と、チェーンで繋がったもう一方の歯車が脱着可能なことに気付き、歯車を交換して比率を変えることで調整できるかをテストすることに。

 この歯車、よく見ると自転車の歯車と近似。思い当たる近所の自転車屋さんを探したところ、伊勢崎市内で自転車屋さんを営む武さん(*)にたどり着きました。武さんは自転車用歯車数種類と道具箱を持って早速に駆けつけてくれ、すぐに交換作業に着手。持参いただいた自転車用歯車は、板厚が元の歯車よりも薄いもののチェーンのピッチはピッタリで、回転に支障はありません。しかも中心に開いた穴が元の歯車の軸にちょうどはまり、ぐらつきもほとんどありません。最初の関門を通過です。
 2つの歯車のどちらを変えることも可能ですが、まずはピッチを決める軸棒側の歯車を交換して試してみることに。現状の歯車が歯数=21のところを歯数=32の歯車と交換。取りあえず結束バンドで仮締めして再び巻き取りテスト。その結果、一寸(3.79cm)内に巻かれた緯糸の数は47本。ほぼ目的の本数です。

 最終調整は後日に委ねるとして、緯糸ピッチは歯車交換で調整できること、そしてその歯車は自転車用が利用できることが分かったので、ひとまずは一件落着でした。
取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/2/23 記

(*)武 忻次(たけ きんじ)さん(群馬県自転車協同組合、(社)群馬県自転車倶楽部 専務理事)。小杉英雄さんの数十年来の友人です。小杉さんは「いせさき焼きまんじゅう愛好会」の会長などを務め、今回のプロジェクト責任者の金井珠代さんとも長期間にわたり交流があります。今回もまた友人の輪がつないだ縁で解決しました。

糸なせん設備登録票「板巻機」・通商産業大臣

ピッチを決める軸棒の中心と底板との間隔=75mm

テスト用に手動で緯糸を巻きつけています

武さんに用意していただいた種々の歯車


21歯の歯車(元の状態)のピッチ。一寸(3.79cm)内に31本。

32歯の歯車(交換後)でのピッチ。一寸(3.79cm)内に47本。


元の歯車の組み合わせ。歯車(右)の歯の数=21

交換した歯車。歯車(右)の歯の数=32

交換後の歯車(左。歯の数=32)、元の歯車(右。歯の数=21)

テスト用に武さんから借りた種々の歯車とパッキン

歯車を交換した緯糸(よこいと)巻き機

当サイトのコンテンツを無断でコピーすることを禁じます




▲ページTopへ