鬼怒川上流4ダム(*1)の一つ「川治(かわじ)ダム」。川治温泉の上流1.5km程の位置にあり、東方直線距離で1kmほどの位置には鬼怒川上流4ダムの一つ「五十里ダム」があります。本体工事の着工は1971年、完成は1983年。ダム形式はアーチ式コンクリートダムで、この形式では日本で4番目の高さとのこと。管理は国土交通省。ダム管理支所は日光市川治温泉川治319-6。 ダム湖の名前は”八汐湖”。栃木県の県花”ヤシオツツジ”がこの周辺で咲くことに由来するとのこと。訪れたのは2019年5月2日。アカヤシオが咲く季節でしたが、川治ダム上流の川俣ダムでは、ダム周辺で探すともなくたくさんのアカヤシオが目に入ったものの、川治ダム周辺では気付きませんでした。 八汐湖の色は見事なエメラルドグリーン。同日に見学した上流の川俣ダムでは見られず、下流の鬼怒川支川・男鹿川 の「五十里ダム」と同様な色です。この色の原因は何なのでしょう。一時的な色?季節的な色?それともプランクトン?岩盤や地盤に何かの金属が含まれている? ウェブで八汐湖のエメラルドグリーンに触れた訪問記を探すと、3月と7月の訪問記が見つかり、今回私が撮影した色と同様な画像が掲載されていました。と言うことは一時的でも季節的でもなく、他の要因が考えられます。 利根川水系・四万川の四万川ダムのダム湖「奥四万湖」の湖水の色はコバルトブルーで、この色は「湖水に含まれるアロフェン(アルミニウムケイ酸塩粒子)のレイリー散乱によるものと考えられている。」とのこと。 八汐湖の水の色も岩盤か地盤に含まれる金属と光の反射が影響するのかも知れませんが、調査結果等が見つかるまでの課題としましょう。 堤頂部は栃木県道23号川俣温泉川治線が走り、この日たまたま路線バスに遭遇しました。ウェブで調べると、日光市営バス運営の鬼怒川温泉女夫渕線で、バス停は「川治ダムサイド」(資料館の前)。一日に5本運行しています。(2020/2/8時点) 女夫渕(めおとぶち)と言えば、遡ること40年前。奥鬼怒温泉郷の「加仁湯(かにゆ)」に一泊して、奥鬼怒湿原に登った時、この路線バスで終点の女夫渕温泉で降りて、鬼怒川上流沿いに加仁湯まで歩いた記憶があります。当時は民宿のような造りのひなびた宿でしたが、ウェブで調べると現在は3階建ての和風の立派な旅館に変わっています。 余談ですが、当時の加仁湯の主人との会話で、当館にヒゲの殿下・三笠宮寛仁親王殿下が何度か泊った話を伺いました。玄関間に来館した記念写真が飾られていたのを覚えています。 川治温泉とセットのダム見学や鬼怒川上流4ダム行脚、または女夫渕温泉や奥鬼怒温泉郷旅行の途中等、様々なプランを立て易い川治ダムでした。(2020/2/9 記) (*1)鬼怒川上流4ダム 湯西川ダム(2012年完成)、川治ダム(1983年完成)、川治ダム(1966年完成)、五十里ダム(1956年完成) 【川治ダムデータ】
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動画で紹介川治ダム(2分54秒) 2019/5/2 川治ダム位置図 |
川治ダム(ダム直下流の吊り橋から) 2019/5/2 川治ダムの堤頂部。後方(左岸岩盤)は行き止まり。 2019/5/2 川治ダムの管理事務所から望む下流の谷間。後方に会津鬼怒川線の鉄橋。 2019/5/2 堤頂部の栃木県道23号川俣温泉川治線を走る日光市営バス・鬼怒川温泉女夫渕線 2019/5/2 川治ダム記念碑 2019/5/2 川治ダム記念碑に刻まれた文字 2019/5/2 川治ダム管理事務所 2019/5/2 |
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工事看板
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ダム湖・八汐湖とダム堰堤。中央後方は管理事務所。右後方は資料館。2019/5/2 ダム湖・八汐湖と周囲の山々 2019/5/2 |
鬼怒川上流ダム群 2019/5/2 |
川治ダムカード・天皇陛下御在位三十年記念 平成31年2月24日 川治ダムカード Ver.After DC 川治ダムカード Ver.2.0(2012.10) |