お盆を過ぎ、今年もまたタカサゴユリ咲く季節がやって来ました。住宅の庭や路傍、空き地など、至る所で自由に咲くタカサゴユリ。「風散布種子(ふうさんぷしゅし)」で繁殖するので、風の向くまま、気の向くまま、どこで咲き始めるか分かりません。旺盛な繁殖力と日本の在来種のユリとの交配が危惧され、環境省では「生態系被害防止外来種リスト」(*)に、国立環境研究所では「侵入生物データベース」に掲載されています。
国の施策も気がかりなところですが、伊勢崎辺りのタカサゴユリの繁殖状況は微増のように感じています。今年の「オープンガーデンいせさき」でお邪魔したお宅で話題に出すと、何軒かのお宅では、確認するたびに伐根しているとのこと。我が家では生えるに任せていますが、今年は11本、2016年は11本、2014年は5本でした。 難しい話はさて置いて、今年紹介するのは花の数が異常に多いタカサゴユリ。我が家の近所の路傍で咲いています。我が家で咲くタカサゴユリは一本の茎が付ける花の数は3~5個。ところが、今回紹介するのは一本の茎から34個の花。遠くで見かけた時には、数本の茎が紐などで人為的に束ねられているのかと思いましたが、一本の茎でした。茎の断面は円形でなく平べったい形状で、長径は2cmほどあり、背丈は150cmほど(*2)。周囲に4本のタカサゴユリがありましたが、背丈も低く、花の数も少な目でした。 ウェブで調べると、発芽後の経年数が長いほど、球根が成長して背も高く、多くの花を咲かせるようです。(2017/8/26 記) (*1)→環境省の「生態系被害防止外来種リスト」からタカサゴユリの部分を抽出してこちらに掲載 (*2)このように茎が変形する現象を「帯化」と呼ぶようです。 |
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一本の茎から34個の花を付けたタカサゴユリ(伊勢崎市波志江町) 2017/8/26 |
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34個の花を付けたタカサゴユリの茎 2017/8/26 |
すぐ隣の茎は17個と5個の花 2017/8/26 |
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我が家で咲くタカサゴユリは4個の花 2017/8/26 |
いつの頃からか個人宅の庭や路傍、空き地などで見かけるようになった高砂百合。雑草と呼ぶには美し過ぎて、まるで意図的に植えた園芸種のようです。我が家の庭で咲く高砂百合を最初に紹介したのは5年前の2011年。庭で見かけたのはそれから数年前のことです。 自分勝手な場所に生えるので、一度移植したことがありますが、根付かずに枯れてしまったので、以来、放置しています。今年は庭のインターロッキングの隙間から生えたのが立派に咲いていて、その逞しさに驚きます。今年生えた茎の数は11本。2年前は5本でした。 ウェブで調べると、環境省などでは歓迎しない植物のようですが(*)、特定外来生物に指定されてはいないので様子を見ながら楽しむことにしています。(2016/8/18 記) |
我が家の庭で咲く高砂百合 2016/8/17 |
(*)■環境省では「侵略的外来種リスト(仮称)植物の掲載種(案)【国外外来種】※検討作業中※」として掲載。 ■国立環境研究所では「侵入生物データベース」で掲載。→こちら(別ページが開きます) |
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我が家の庭で咲き始めた高砂百合 2016/8/17 |
先日、上武道路を走っていましたら、路肩や側道の植え込みにはびこった雑草の中に、茎をスッと伸ばして、白い大きな花を咲かしている高砂百合を見つけました。探すともなくあちこちに咲いていて、ここ数年、住宅の庭や郊外の道路脇、荒れ地などで、本当に良く見かけるようになりました。 我が家の庭で咲く高砂百合も、植えるともなくいつの間にか咲くようになり、今年は5本見つけました。毎年少しずつ増えていますが、繁茂するほどではなく、その増え方が楽しみです。ただ、毎年同じ場所では咲かず、適当な場所で咲きます。何本かは種子を付けたまま放置しておくので、それが風で散って、好きな場所を探すのでしょう。元の場所はいつの間にか根っ子ごと絶えています。 花弁は6枚で、3枚、3枚と分かれているのかと思うと、根元では繋がっています。白く大きく楚々とした風情の高砂百合、皆さんのお宅や近所でもいつの間にか咲いているかも知れません。探してみてください。(2014/8/27 記) |
我が家の庭の何ヶ所かで咲き始めた高砂百合 2014/8/24 |
先週紹介したばかりの高砂百合。ここ数年、本当にあちこちで見かけ、その分感動も薄れ、ちょっと道路脇に咲いている程度ではいちいち足を停めなくなりましたが、一昨日見つけた高砂百合は、株のまとまりと周辺の風景、咲き具合などからして、ちょっと素通りする訳には行きませんでした。場所は多田山や茶臼山古墳の北東、毒島城跡の北西にある山の頂上。地図で確認すると伊勢崎市赤堀今井町2丁目と前橋市粕川町深津の境界です。山と言っても鋭いピークがある訳ではなく、勾配は大福餅のようになだらかで、周囲には雑草地のような畑のような土地が広がり、もう少し涼しくて、もう少し近くに大きな山々が見えれば、気分は嬬恋村のキャベツ畑、片品村のレタス畑です。 この場所、高砂百合だけじゃなく、南側に展望が開けていて、毒島城跡や茶臼山古墳、それらを囲む広々とした稲田の風景がとても伸び伸びとしていて、ちょっとしたハイキング気分にさせてくれます。ただ場所が分かり難いことと、道も狭く、茶臼山古墳からは未舗装道もあるので、車での進入はお薦めできません。前橋市の大室公園に駐車してハイキングで訪れるか、サイクリングをお薦めします。なお、この山の名前は分かりません。(2013/8/27 記) |
青空を背景に、白く楚々とした姿で咲く高砂百合。花の数を数えると15ありました。 2013/8/25 こちらは山頂から少し下った畑の脇。付近には数軒の住宅が現れます。 周辺には昔ながらの風景が残されていますが、付近には洒落たレストランのような住宅も建ち、 高台の展望を借景した別荘地のようです。 2013/8/25 |
今年もまた我が家の庭で高砂百合が咲き始めました。 前回紹介したのはちょうど3年前。その種が飛んだのか、今年は、庭の別の場所3ヶ所でも咲いています。ネットで調べてみると、たくさんの個人の方がウェブサイトで紹介していて、皆さん共通に、植えるともなくいつの間にか咲き始めたと言っています。 繁殖力が強いようですが、大柄で清楚で綺麗な花なので、今のところ大歓迎です。皆さんのお宅にも自然に生えて来ていませんか?蚊に刺されないように注意して、庭を丁寧に一回りしてみてください。「あ、あった!」なんてことになるかも知れません。 欲を言えば、他の色が何種類かあれば更に嬉しいのですが、どうやら白だけのようです。(2013/8/22 記) |
数年前、我が家で最初に咲いた位置で今年も咲きました。 毎年少しづつ株数が増えています。2013/8/21 |
ここでユリを紹介したのは、実はこのユリ、庭で園芸種として植えられているものではなく、路傍や雑草地、空き地、家の生け垣の根元などに自生しているユリで、伊勢崎市内をブラリサイクリングしていて、ここ数年その生態に気が付いたためです。 園芸種の種が風で飛んだのか、鳥たちが運んだのか理由は分かりませんが、共通しているのは、花の色は白、背丈が高い(高い物は2mを越します)、1本の茎からたくさんの花を付ける・・・と言った点です。 実は、我が家の庭にも何年か前から生えて来て、自分で植えたものではないので、何だか得した気分になっています。すぐ近くにオナガやノバトが巣作りする木があるので、鳥が運んだのでしょうか。皆さんのお宅にも咲いていませんか? この百合、Kさんに教えていただくと、鉄砲ユリの一種で名前を高砂百合と言います。台湾原産(台湾の高砂族に由来)です。最近、あちこちで見かけるのは大きく育った鞘(さや)から風に乗って種が飛び散る生態のためのようです。風に乗って飛び散る種のことを「風散布種子(ふうさんぷしゅし)」と呼び、「ラブリバー親水公園・うぬき」のニワウルシなども風散布種子です。(2010/8/23 記) |
我が家の庭で植えるともなく数年前から咲き始めた高砂百合。 毎年、最初に咲いた場所の近くに増えています。 2011/8/28 |
右の高砂百合を別の角度から 2010/8/22 |
民家の生垣の間で咲く高砂百合(国定町) 2010/8/22 |