伊勢崎市・三郷地区区長会研修会が6月18日(日)、19日(月)、一泊二日の行程で実施されました。 研修先は福島県。初日は五色沼と野口英世生家・記念館、白水阿弥陀堂見学。2日目は浪江町の集落や双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館等です。 参加者は三郷地区区長会の行政区長と組区長、幹事、公民館長の総勢27人。私も行政区長の一人として参加。 津波で集落が消失し、放射能汚染で人々が消えた双葉町の海沿い。復興の動きも感じられず更地として広がった雑草の大平原。その中にポツンと建つ東日本大震災・原子力災害伝承館。今後、この地域を元の姿に戻すのか、戻したいのか、戻すべきか。元の住民の気持ちは?行政の方針は?復興とはそもそも何ぞや? 荒涼として広がる海沿いの大平原を目の前にして、年々、震災の記憶が遠ざかる今、「復興」の意味を改めて考えさせられました。そのことを感じることができただけでも大いに有意義な研修でした。 梅雨の合間の日程でしたが、ちょうどこの2日間を選んだかのように雨の心配もなく、全員が事故も怪我もなく無事帰って来ました。研修の様子を初日と二日目に分けて紹介します。(2023/6/29 記) |
出発は三郷公民館、朝7時30分。波志江SICから北関東道に乗り岩舟JCTから東北道へ。一路北上し、いざ行かん福島へ。出発早々に盛り上がった車内では、「補給した水分は排出しなければ」と、早くもトイレ休憩のSOS。大谷PAや鏡石PAなど、車内の様子で適宜トイレ休憩を取り、郡山JCTから磐越道へ。 東北道も磐越道も渋滞もなく順調に走り続け、磐梯猪苗代ICで下り、最初の目的地五色沼(福島県耶麻郡北塩原村)へ。 研修ルート図(上図の青線)(Google my mapで作成) |
新緑に覆われた湖畔の散策道を歩き、沼や磐梯山を眺め、長時間のバス移動で固まった身体を揉みほぐし、リラックス。裏側から眺める磐梯山は、優しく穏やかな表の顔と異なり赤茶けて荒々しく、噴火の事実を実感させます。 五色沼ボート乗り場 2023/6/18 道路から湖畔沿いの散策道へ下りる参加者 2023/6/18 五色沼と磐梯山の裏側斜面 2023/6/18 私事ですが、30年ほど前の夏、家族で裏磐梯のペンションに泊まり、磐梯山を北東側から登ったことがあります。ゴルフ場の下から登るコースで、ゴルフ場の上まで歩いた時に、何と、ここまで車で入れることに気付き、家族全員ガックリ。一応、登山ガイドは調べて来たのですが・・・。頂上直下の急登は結構キツかったものの、頂上での360度の展望は最高でした。 五色沼で泳ぐ錦鯉 2023/6/18 散策道にはこんな涼しそうな場所もあります 2023/6/18 |
五色沼散策の後は、お楽しみの昼食。 河京ラーメン館猪苗代店で会津の郷土料理”磐梯御膳”。喜多方ラーメンとソースカツ丼、サラダ、こづゆ、小鉢、にしんの山椒漬などのセットです。ラーメンとカツ丼を食べ切れるのかと心配しましたが、それぞれが小盛だったので、まだまだ余裕でした。 珍しかったのは”天ぷらまんじゅう”。シイタケの天ぷらと思ってガブリと一噛みすると、中にはあんこが入ったまんじゅう。”こづゆ”なる、野菜の角切りがたくさん入った醤油汁も始めて食するものでした。福島県の郷土料理とのこと。 |
昼食後は隣接する野口英世記念館と生家(福島県耶麻郡猪苗代町)へ徒歩2分。生家の前で記念撮影し、生家と記念館を自由見学。生家は1823(文政6)年にこの場所に建てられ、以来、場所も大きさも変わらず当時の姿のまま保存され、2019年3月29日、国の登録有形文化財に指定されています。 野口英世記念館では、野口英世の生い立ちから功績に至るまで、パネルや写真、動画、音声ガイド、遺品などを通じて学びました。精巧にできた野口英世の等身大ロボットが身振り手振りで話す装置には、当館の意気込みを感じました。 生家の写真は撮りましたが、記念館では個人利用以外の撮影は禁止とのことで、カメラを向けませんでした。 →野口英世記念館・公式ウェブサイト 野口英世博士生家 玄関 2023/6/18 野口英世博士生家を見学する参加者 2023/6/18 「オメエ」(座敷への登り口。家族の生活の場、客を迎える場所) 2023/6/18 「ニワ」(家の中にある土間。藁仕事などの農事を行う) 2023/6/18 |
ザシキ(畳を敷き、大切な客を迎える部屋) イナベヤ (収穫した収穫物や藁仕事の材料などを入れる部屋) ウマヤ(馬を飼うところ)。 母シカは馬が大好きだったとのこと。 |
「オメエ」の奥 カッテ(台所)とナガシ(水を流して洗い物をする所) キズルス(もみがらを取る用具。 両側に引き綱を付け、二人が相対して引く。) |
野口英世博士生家全景 2023/6/18 野口英世博士生家前で記念撮影 2023/6/18 |
全国の真っ赤な丸型郵便ポストの写真を撮り続けている友人のAさん。私もその影響を受け、旅先で見かけるとついカメラを向けてしまいます。今回の2日間の研修先で出会ったのはここ野口英世記念館入口脇に立つ一つ。まだ現役で取集は一日一回。 後継の角型郵便ポストが登場した1970年に生産・設置を終了した丸型郵便ポスト。現在、国内に何本残っているのか分かりませんが(*1)、探すとなるとなかなか見つからないもの。今までに出会った丸型郵便ポストが設置されている場所は、歴史的な街並みや観光地、あるいはその類の建物の前が大半で、その場所のシンボル的存在でした。 寸胴型のクラシックで愛嬌がある丸型郵便ポスト。生産を中止しているので減るのみの運命と思いますが、見かける都度、カメラに収めておきたいと思います。(2023/7/26 記) [ 丸型郵便ポスト・Index ] (*1) Wikipediaによれば、2013/3/31現在で約5600本が稼働。東京23区では2013年現在で5本。 野口英世記念館入口脇に立つ丸型郵便ポスト 2023/6/18 入口脇に立つ守衛さんのよう 2023/6/18 |
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光沢を放つ丸型郵便ポスト 2023/6/18 |
取集時刻 平日・土日 10時35分ごろ 休日 9時00分ごろ 2023/6/18 |
初日の最後は白水阿弥陀堂(いわき市内郷白水町)を参拝。 猪苗代ICから磐越道に乗り、いわき湯本ICまで、福島県横断の高速バス旅です。 白水阿弥陀堂(真言宗智山派 菩提山願成寺)は平安時代、1160年(永暦元年)の建立。福島県唯一の国宝です。周囲を山々に囲まれ、これが「蓮の花」にたとえられて作庭され、阿弥陀堂などの仏殿の前に造園された園や池を「浄土庭園」と言うとのこと。 作務衣を着たご年配の男性がガイドしてくれ、浄土庭園のことや阿弥陀三尊像や天皇像のこと、ほか阿弥陀堂の由緒のことなど、流暢に丁寧に、時には笑いを誘いながらの説明には思わず聞き入ってしまい、全部聞き終える頃には、講談を聞いたように感心してしまいました。 白水阿弥陀堂 2023/6/18 白水阿弥陀堂・阿弥陀様の前で説明を聞く参加者 2023/6/18 白水阿弥陀堂・本堂に入る参加者 2023/6/182023/6/18 本堂前の参道の橋で説明を受ける参加者 2023/6/18 境内に入る参加者 2023/6/18 |
白水阿弥陀堂・浄土庭園の池 2023/6/18 白水阿弥陀堂・浄土庭園の池に架かる太鼓橋 2023/6/18 白水阿弥陀堂・浄土庭園の池に架かる太鼓橋 2023/6/18 白水阿弥陀堂・説明板 2023/6/18 白水阿弥陀堂 2023/6/18 |
初日の行程は以上で終了。宿泊はいわき湯本温泉「浜とく」。美味しい料理に舌鼓を打ち、美酒に酔いしれ、日頃の労をねぎらい、親交を深めることができました。(2023/6/29 記) |