中国武漢市で発生し、現在、欧米を中心に猛威を振るっている新形コロナウイルス(COVID-19)。日本国内においても、東京を筆頭に全国各地で発生し、特に大都市圏では爆発的感染を恐れています。感染者の咳やクシャミの飛沫、あるいは感染者が残したウイルスに接触して移るとされる新形コロナウイルス感染症。当然ながら人が集まる場所、人の交流が激しい場所での感染が増えます。 先日、当サイトのトップカラム”グッモーニン伊勢崎”でも触れましたが、「人が集まる場所」で思い付いたのが全国魅力度ランキング(*1)。魅力度と感染者数の多さに密接な関係があるのではと予想したからです。調査データは下記を参照しました。 ■魅力度ランキング:2019年版 ■感染者数順位:NHKニュースWEB、2020年4月2日、11時55分の記事による感染者数の多い順序 調査時点で感染者数=0の鳥取県、島根県、岩手県は47位としました。 両者の相関係数を求めると 0.359 (弱い相関あり)ですが、係数とは別に下記調査を行いました。 ・魅力度から感染者数順位を差し引く(下表のB)・・・正値は魅力度に比べ感染者数が多い。 ・上記結果を視覚的に把握するため、正値を▲、負値を〇で表記(下表のC) ・Bの結果のうち、24を超えた都道府県を▲で表記。24は47都道府県の平均値。(下表のD) ・Bの結果のうち、-24以下の都道府県を〇で表記。(下表のE) 上記の結果、下記のことが分かりました。 ■下表Cで示すように、 魅力度に比べて感染者数が多い県は、魅力度が低い方に多い。 ■その中で、特に顕著なのは北関東3県(群馬県、栃木県、茨城県)と埼玉県(下表D)。 ■魅力度が高いのに感染者数が少ないのが長崎県(下表のE)。 魅力度ランキングで最下位争い常連の北関東3県と埼玉県。魅力度が低いのに感染者数が多く残念な結果ですが、感染者数が断トツに多い東京に近いので、魅力度とは別の交流が原因しているように考えられます。 群馬県内の4月1時点の感染者は20人。内訳は、太田市の保育園関係3名、大泉町の個人病院関係8名、館林市の総合病院関係3名、富岡市の会社関係2名、散発事例4名です。 1例目の保育士の女性は発症2週間前に県外へ外出、館林市の総合病院はクルーズ船の患者を受け入れ、17例目の女性は川崎市の感染者と食事、20例目の男性は発症前に都内へ行き、これらの方々は東京や近県での交流による感染が疑われています。更にこれらの感染者の濃厚接触者5名を加えると合計9名。 大泉町の個人病院の感染経路を把握していませんが、大泉町や館林市は”鶴舞う形の群馬県”の嘴部分。北は栃木県、南は埼玉県、東は茨城県と、距離は県内よりも県外他市の方が近く、交流は4県広域圏で、県の枠では語りにくい地域です。 東京都と近隣県の知事が週末の東京との交流を自粛するように訴えていますが、法的に禁止している訳でもないので完全に止めることは難しいでしょう。今後も北関東3県が仲良く兄弟同士の傾向を示し続けるのでしょう。(2020/4/2 記)。 (*1)魅力度ランキング 株式会社ブランド総合研究所が全国約3万人の消費者からの回答を集める調査で、2006年から(都道府県は2009年から)毎年実施。各都道府県と市区町村の魅力度やイメージ、観光・居住・産品購入の意欲など、110項目(2019年実績)にわたって調査。 |
下表は全県分です
感染者数は、上記のほか ・中国からチャーター機で帰国した人が14人 ・厚生労働省の職員や検疫官、それに空港の検疫で感染が確認された人などが合わせて70人。 合計で2,524人(クルーズ船除く)。 |