■日時:2016年(平成28年)2月21日ほか ■場所:いせさき明治館(伊勢崎市曲輪町) ■制作者:伊藤正義さん ■内容:今回の図案の緯糸(よこいと)用の型紙彫り。 併用絣では型紙は経糸(たていと)用と緯糸(よこいと)用と別々に、また色の数分型紙を彫りますが、緯糸用は同じ型紙に対して表用と裏用の2枚制作する点が経糸用と異なります。これは、経糸が長尺の捺染(なっせん)加工台に平に敷いて捺染することに対して、緯糸は緯板(よこいた)(下図)に巻き取って表裏を捺染するためです。2枚と言っても同じ図柄の表と裏なので、別々に彫らずに紙を2枚重ねて一遍に彫ります。同じ図柄を量産した時代には、型紙の摩耗を考慮して一遍に4枚あるいは6枚と重ねて彫り、複数セット用意したこともあるとのことです。 今回のプロジェクトで彫った型紙の数は下表の通りです。
今回、緯糸用に使用した紙は、経糸用同様に洋紙(ようがみ)ですが、経糸用がロール紙を使用したことに対して(→記事はこちら)、緯糸用はカット紙を使用。 また、経糸用型紙は図案を元に彫りましたが、緯糸用は図案は使用せずに、経糸用の型紙を使用して捺染時と同様に型紙に色付けし、それに合わせて彫ります。経糸の型紙制作工程で述べましたが(→記事はこちら)、型紙は図案に全て忠実に彫るものではなく、捺染や織り工程時の「泣き」を考慮するなど、元図案とは多少異なった形状で彫ります。したがって、緯糸用の型紙制作時に、これらの量が配慮された経糸の型紙を使用しないと、経糸と緯糸がずれてしまうためです。 取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/3/14 記
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(1)「赤いレンガ造り」の緯糸用型紙を制作中の伊藤正義さん |
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(2)経糸用の型紙を使用して刷毛で色付け |
(3)緯糸用型紙を制作中の伊藤正義さん |
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口織り今回の併用絣には一反ごとの端に口織りを付けます。口織りはその織物のブランド力を示すもので、かつては本反同様に型紙から捺染、織りまでを施したものや、別途、布や和紙に名前を書いたものを貼ったりとあったようです。今回は本反同様に施します。 |
口織りの図案 |
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口織りの図案を型紙にトレース |
口織りの図案を彫った型紙 |
赤いレンガ造り:2(表・裏)×4色=8枚(下記に6枚掲載) |
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赤いレンガ造りの図案 |
紺色用の経糸用型紙(表裏用2枚) 赤色用の経糸用型紙(表裏用2枚) 黄土色用の経糸用型紙(表裏用2枚) |
用具類:刷毛と塗料、チョーク 刷毛 |
伊藤正義さんプロフィール |