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北東より撮影 平成9年5月頃 |
北西より撮影 平成9年5月頃 |
高見勘次郎『伊勢崎の植物』
[伊勢崎郷土文化協会 昭和43年12月]40〜41頁
サカキ(マサカキ)つぱき科
学名『クレイラ・オクナセア』で日本中部以南の山中には
自生する常録の亜喬木であるが、わが群馬地方に於ては、
通常神社或は寺院等に植栽せられている。伊勢埼地方に
於て最大なものは本関町1093川端萬平氏方にある。こ
の木は推定樹齢二百年位のもので、高さ約十m、幹囲目
通り約81cm余、根回り2.7m余に達する。わが群馬県
に於ても有数のものである。
波辺敦先生の推薦によって天然記念物候補として、群馬
県文化財専門委員の調査を乞うたのであるが、他に有力
候補があったので、天然記念物としては一応指定を得な
かったのである。
和名「サカキ」地名は「栄える」木の意味から来た名であ
る。それで神社等に植えられ、神木として世人に重んじら
れて来たのである。昔から玉串として神前への奉幣物に
もちいられて来た。
尚、「サカキ」は万葉植物でもある。
『万葉歌詞』
奥山の榊の枝に白香つけ木綿とりつけて・・・(三七九)
国の天然記念物。サカキとして国で指定しいる天然記念
物には、鳥取県鳥取市大字松上字宮の谷にある『松上神
社のサカキ樹林』である。松上神社の境内を中心とした樹
林の中には、千五百本の榊の老樹が繁茂している。その
中の大きいものは目通り幹囲1m以上2mに達するものが
あり、サカキの樹林としては代表的なものである。
これは昭和19年3月の指定である。 |
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写真左下に「昭和四十二年二月」という年月日が書かれている真新しい文化財の標識が写っているので、この頃の撮影と推定できよう。現在は切られているが、以前はこのサカキの周囲にはもっと竹木があり、こんもりとした屋敷森という感じであった。 |
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