伊勢崎市立赤堀東小学校(関野利男校長)で、3月10日、ビオトープ学習発表会が開催されました。対象は同校3年生児童60名と2年生児童59名。同校では、3年生が一年にわたりビオトープ内の生物を観察し、記録し、様々なことを学びます。この日の発表会は学習成果の総まとめとして行われ、発表を聴くのは同校2年生。ビオトープ学習の指導にあたるのは、7年間にわたり同校のビオトープ学習に携わっているビオトープ管理士の酒井和彦さん。 関野校長先生のあいさつを聞く赤堀東小学校の2年生と3年生 発表はまず最初に3年生の代表3班が行い、残りの3年生と2年生全員が一緒に聴きます。代表3班のテーマは
続いて9班に分かれた3年生が、班ごとの場所で発表し、同じく9班に分かれた2年生がその発表を聴きます。9班の発表は約5分で終え、終えると順次隣の班に移動し、これを繰り返して、全部の班の発表を聴き終えます。 全12班の発表は、トンボやゲンゴロウ、カマキリ、ミズスマシなどの昆虫について、卵から孵化、幼虫、成虫までの生育状態を観察し、各段階の食べ物や棲みか、身体の構造などを調べたきめ細かな内容で、どの班の児童も、大きくハキハキした声で、元気よく発表していました。 赤堀東小学校の開校は平成12年4月。開校当時、ビオトープの場所は更地の空き地でした。平成13年頃には池が築造され、以来、樹木や草を植え、木道や石積みなどを築造し、ビオトープとして仕上げ、管理し続けて来ました。 昨年3月には、ビオトープ築造以来初めての大規模な清掃を行い、池に堆積した土砂や、繁茂し過ぎた水草、枯葉の除去、樹木の選定などを行いました。ビオトープで生物を育てるには適切な環境が必要。放置しても不適切、と言って単純な除去や剪定も行えません。例えば、池から除去した腐葉土混じりの土砂の中にも幼虫が棲んでいる場合もあるので、除去後の土砂は池の脇にしばらく放置し、幼虫が池に戻るのを促すなど、きめ細かな対応を要します。 これらのことを含めて、ビオトープ内の小川や池の水質、落ち葉や水草の量などを適切に管理し、生物が住み易い環境を学習します。その環境を守ることが、私ら人間にとっても住み易い環境を守ることにつながります。 伊勢崎市最北の小学校・赤堀東小学校。市内他地区の小学校に比べて、周辺にはまだ自然が残され、すぐ東方には早川が流れ、早川沿いには自然公園「赤堀いこいの森公園」があります。自然環境と校内に造られたビオトープ。この恵まれた環境で生物について様々なことを学び発表すること、貴重で素晴らしい事業でした。(2017/3/11 記) 赤堀東小学校は長年にわたるこれらの活動の功績が認められ、平成27年6月10日、環境大臣によって表彰されています。 望月義夫環境大臣による表彰状 |
代表3班の発表 |
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9班の発表 |
9班の個々の発表 | ||
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ビオトープの今と昔 |
今・平成29年3月10日・・・→更に詳しく池や小川、木道、遊歩道が巡らされ、樹木も育っています。2017/3/10 昔・平成13年ごろ平成13年ごろ 更地に池を築造 |
現在のビオトープ |
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入口の石の標識・”輝” 2017/3/10 ビオトープ内の小川 2017/3/10 木々が育つビオトープ 2017/3/10 |
ビオトープ内の小川や池(後方) 2017/3/10 ビオトープ内の小路。後方は校舎。 2017/3/10 ビオトープ内の木道や木橋、池 2017/3/10 |