前橋市・都市再生整備計画 駒形周辺地区(案) |
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北関東自動車道・駒形ICの東側を流れる広瀬川に架かる新須永橋の拡幅工事の取材を続ける過程で、この橋が前橋市の都市再生整備計画・駒形周辺地区(案)に位置付けられた橋梁である事を知りました。 その計画の概要は、前橋市の公式サイトに「都市再生整備計画(第1回変更申請中) 駒形周辺地区(案) 平成20年2月」として公開されています。 その資料によれば、新須永橋は東方へ「駒形下増田線」として続き、更に前橋市「市道00-330号線」に接続します。 ■「駒形下増田線」は延長870m、幅員16m(両側歩道+2車線)。 現地で確認すると、区間西半分が新設区間、東半分が既設道路の拡幅と線形改良のようです。 ■「市道00-330号線」は下増田運動広場(案)までの延長約900m、幅員12m(両側歩道+2車線)の路線。既設道路の拡幅と線形改良が主な内容のようです。 この事業は前橋市新清掃工場整備事業との関連事業のようですが、詳細については分かりません。 現地には清掃工場建設反対の看板も立っていて、背景に抱えている問題を想像するに難くありませんが、まずは現況をご覧ください。(2010/6/15 記) →当サイトの掲載姿勢はこちら。 |
「Go!伊勢崎」は、そのカテゴリの中で、伊勢崎市と近隣の建設事業を多く取り上げています。当ページの新須永橋の拡幅や道路新設工事もその一環での掲載です。 当道路事業が前橋新清掃工場建設に伴う事業である事は掲載以前から掴んでいましたが、伊勢崎市民の住民感情的に過敏なこの状況下で敢えて掲載しているのは、「公共事業とは何であるか」を関係者だけでなく、広く市民が考えるいい機会であると考えているからです。 道路や上下水道の整備、または公共施設の建設など、いわゆる公共事業は公共の利に供するための社会基盤の整備が主目的です。ところが、清掃工場や下水処理場、斎場などのいわゆる迷惑施設の建設の場合には、それが必要な施設でありながらも、ほとんど例外なく地元住民から反対運動が起こります。これらの所管自治体が建設候補地に悩んだ挙句、境界ギリギリの区域を選定するのは、管轄内住民の反対を極力少なく抑えたいためです。昔の家屋がトイレの事を「ご不浄」と言って、家の隅の方に追いやったのと同じ発想で、自分たちの権利区域の中でできる限り遠くへ追いやる考え方なのでしょう。 今回の前橋新清掃工場の建設地は、広瀬川や荒砥川を挟んだ対岸は伊勢崎市と言う境界線上の場所で、前橋市に取っては南東端部の過疎地であっても、対岸の伊勢崎側は商業地および住宅地として発展目覚ましい西部地区で、また竜宮浄水場と言う水質的に監視が厳しい区域を下流に控え、景観的にも荒砥川や広瀬川の合流地点で自然が守られている場所です。 このような状況下でこの地へ清掃工場を建設することは反対運動が起きて当然と言える流れですが、この背景には人間が共通に持っている本質的な気質が原因しているようで、解決は簡単ではありません。 境界問題は今正に国の外交問題でも重要課題で、尖閣諸島、竹島、北方四島などは未解決でかつ難儀な課題です。お隣の韓国と北朝鮮の38度線では11月23日、ヨンピョン島で相互に砲撃を行い、世界中に話題を発信しています。 地方自治体レベルでも、地元周辺を見ても、桐生広域圏の清掃工場(カリビアンビーチ)は旧赤堀町に接し(小菊の里)、波志江一丁目(私の町内です)の伊勢崎市斎場も旧伊勢崎市と赤堀の境界で、建設当時は旧赤堀町に隣接していました。当時も「霊柩車の行列を見たくない」と、建設地周辺には建設反対の看板が立ちました。伊勢崎市の新しい清掃工場も利根川を挟んだ対岸は玉村町で、平塚の下水処理場も伊勢崎市の南東端部です。 もっと簡単に個人レベルで語ってみれば、宅地の境界にブロック塀や堅固な構造物を築造するのは自分の境界を守る理由が大きく、この意識が過ぎれば隣家の枯葉が落ちて来ても気になります。住宅地内の公園の紅葉は多くの人が「紅葉が綺麗だ」と言うでしょうが、「枯葉が家に入って来て迷惑だ」と言う人もいます。 自己の権利を最大限主張すると言う気質が人間にある限り、自治体や国とは言え、所詮は人間が治めていることなので、今後も永遠に繰り返す事と思います。それは有史以来の歴史を見ても明らかです。 前橋市の新清掃工場の建設地決定がいつ頃、誰の考えで行われたのか調べていませんが、また、現時点で建設地が白紙撤回になるのか予想できませんが、「他人には迷惑でも自分の利を主張する」と言う人間の本質的な気質、これが今回の清掃工場の問題であり、残念ながら前橋市に限らず多くの場面で古今東西繰り返している事です。 当サイト訪問者は伊勢崎市、あるいは伊勢崎市の関係者の方が大半だと思いますが、どこかには造らなければならない他の自治体の公共迷惑施設について、皆さんがどのように考えるか、あるいはひょっとして前橋市の関係者の誰かの目に触れて、その方達がどのように考えるか、その辺について大きな関心があることと、また、事業の背景はとにかく、新須永橋や下増田の地区内道路が整備される事は、伊勢崎の商業集積地に近接しながらも、2つの川に挟まれた過疎地のような場所だった地区に大きなインフラが整備され、それはそれで地域発展には寄与するのではないかと言う単純な視線があるため、当サイトではこれらの話題提供として掲載しています。 ● 「他人の幸せや利益を最優先にする」・・・このような社会がいつの日か訪れれば、外交も経済も上手く回るのでしょうが、果たしてそのような日が訪れるのでしょうか。(2010/11/25 記) |