思川の支川「南摩川」に建設中の南摩ダム。着工は 1969年、竣工年 2025年(予定)。 群馬県の「八ッ場ダム」同様、水没する住民からの建設反対運動が起き、計画は膠着状態に。その後、旧民主党が政権を握った時代、全国各地の大型公共事業見直しの機運が高まり、八ッ場ダムの建設中止決定は全国ニュースで度々話題となり、ダム事業に大きな歴史を残しました(→八ッ場ダム)。 その一連の動きの時代には南摩ダムは建設中止にはならなかったようですが、更に国土交通省によるダム事業再検証などにより工期が延期。こうした状況下で南摩ダムの計画は揺らぎ続け、長期化しました。 これらの歴史を経て、本体工事に着工したのは2020年。当初着工の1969年から半世紀が経過していました。 栃木県内のいくつかのダム建設が中止される中、南摩ダムの建設目的も幾多の変遷を経ながら、現在は不特定利水や上水道供給など多目的とされています。型式はコンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD)で、薄層転圧工法を採用したダムとしては国内初とのこと。 建設現場を訪れたのは2021年11月27日(土)。訪問以来、ダムに関する調査やウェブ掲載のための画像処理、動画作成などを行っている間に、スローテンポだったせいもあって、4か月が経過してしまいました。4か月経過した今、建設状況の変化が気になるところですが、完成予定は3年後なので、完成までには何度か訪れて適宜レポートすると言う前提で、取りあえず掲載します。(2022年3月21日) 南摩ダム建設現場 2021/11/27(9分16秒) 【ダム諸元】(※現地説明板や事業者、鹿沼市、ダムカード等の情報を参照しました。)■建設地:利根川水系 渡良瀬川 左支 思川の左支川、南摩川 ■型式:コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム(CFRD) ■堤高:86.5m ■堤頂長:382.0 m ■ダムの体積:約 240 万m³ ■総貯水容量:5,100 万m³ ■有効貯水容量:5,000 万m³ ■黒川導水路:延長約 3 km、最大通水量 8 m³/s ■大芦川導水路:延長 約 6 km、最大通水量 20 m³/s ■堤体積:3,100,000 m³ ■流域面積:357.1 km² ■湛水面積:330.0 ha ■利用目的:洪水調節・不特定利水・上水道・工業用水 ■事業主体:水資源機構ダム事業部 ■施工業者:大成建設 ■工期:昭和 44 年度~ 令和 6 年度 ■事業費:約 1,850 億円 |
南摩ダム位置図(Google Map) |
ダム本体位置の左岸側法面(のりめん)。コンクリートブロック保護工が進んでいます。2021/11/27 同上 2021/11/27 左岸側法面のコンクリートブロック保護 2021/11/27 |
堤体建設地の状況 2021/11/27 堤体位置の建設状況 2021/11/27 2021/11/27 右岸側法面のコンクリートブロック保護 2021/11/27 |
ダムサイト付近の付替道路に架かる橋梁 三ツ石橋(展望台から) 2021/11/27 |
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三ツ石端の橋名板 2021/11/27 |
絆大橋の橋名板 2021/11/27 |
絆大橋 2021/11/27 |
下流側は、集落内の道路を走り、工事用ゲート(下の画像右側)まで近付くことができます。 中央後方がダム建設地。2021/11/27 ダム建設地。クレーンが見えます。 2021/11/27 |
南摩注水工 と南摩ダムの位置関係(現地掲示の説明板から) 建設中の南摩注水工 2021/11/27 建設中の南摩注水工 2021/11/27 |
ダムカード Ver 1.0(2020.2)(表) ダムカード Ver 1.0(2020.2)(裏) |