園芸店や個人のお宅で見かける寄せ植えは、大概の場合、その時々の華やかな花や葉物をバランス良く組み合わせることが多いです。 ところが、雑木林や野の花、山野草が好きな私の寄せ植えは、樹木を軸にして野花、山野草を植えたもの。樹木にはコナラやクヌギ、マンサク、モミジ、コデマリ、ニンジンボクほか名前を知らない落葉樹。野花や山野草はヤブコウジやスミレ、水仙、ユキノシタ、タツナミソウ、イカリソウ、キリンソウ等など。華やかさには乏しく一般ウケはしませんが、鉢だけを眺めれば自然の世界が広がっていて、見ていて飽きません。私は盆栽の趣味はありませんが、盆栽の世界とも通ずるものがあるかも知れません。 面白く楽しいのが、この種の寄せ植えは草花のように季節限定や一年草ではないので、野鳥が種を運んだり苔が生えたりと、本当の自然が生まれて年々少しずつ姿を変えてくれます。 今回紹介するのは軸となる樹木がないパターン。鉢が小さいために樹木は植えませんでした。年末までには、このまま大きな鉢に植え替えて、クヌギのドングリを2,3個埋めてみようと思います。(2023/4/28 記) 山野草の寄せ植え(ミツバツチグリ、ハッカクレン、ミヤコワスレ) 2023/4/7 |
この花は何?黄色い5弁花ヘビイチゴ、ミツバツチグリ(三葉土栗)、キジムシロ(雉蓆)寄せ植えの一つは黄色い小さな花。一見するとヘビイチゴの花。カミさんが数年前に路傍で咲くヘビイチゴの花を根ごと採取して来て庭に植えたことがありますが、繁殖し過ぎたので全部引っこ抜いたはず。じゃぁこの花は? この花に似ている花はバラ科キムジロ属の3種類。ヘビイチゴとミツバツチグリ、そしてキジムシロ。 ネットで調べると個人サイトでたくさんの記事が見つかりますが、コピペで起こしたのか、同様な文章が少なくありません。とすると、引用元に間違いがあれば他の記事も同様に間違いです。比較的信頼性が高いとされるWikipediaでは見つかりませんでした。 シンプルな5弁。鮮やかな黄色。アップに耐える可愛らしさ。 2023/4/7 「小さな黄色い花」とシンプルな紹介でもいいのですが、この機会に「山と渓谷社」発行の山渓ハンディ図鑑1「野に咲く花」で調べることに。ネットが普及してから参照する頻度が減ったこの本。「山に咲く花」と合わせた2巻を持っていれば、大概の花を調べることができます。 この本によれば・・・、
・・・で、結局この花は何? まず外れたのがキジムシロ。理由は、株が雉が座る蓆(むしろ)のように広がるキジムシロの特性が見られないこと。ほかに、全体に粗い毛もなく、葉が5~9葉でもないこと。 残る2種のうち、ヘビイチゴは大きな萼片(がくへん)が特徴で、花弁の隙間から萼片が見えますが、この花は萼片は目立たず、花弁の隙間も広くありません。決定的な特徴は、ヘビイチゴは果実が赤くなることですが、今のところ(4月28日時点)、まだ赤くなっていません。 ・・・と消去法で考えると、この花はミツバツチグリ? ただ、どんな種にも変種や個体差はあるので、断定的なことは言えませんが、取り合えずミツバツチグリと言うことで。果実が赤くでもなったら改めて記事を更新します。(2023/4/28 記) |
そしてこちらは・・・ミヤコワスレとロッカクレン(六角蓮)我が家の庭で咲くミヤコワスレは薄紫やピンクが中心。白は多分これだけ。ハッカクレンは山野草好きな兄からもらったもの。兄宅も少しの高低差をつけた築山が施してあって、モミジなどの半日陰の場所に地植えし、たくさん増えています。山中の風情でいい感じです。兄曰く「どんどん増えるんだよ」。花はアズキ色で、葉の少し下からぶら下がるように咲きます。大きな葉は直径30cmを超えて、ツヤツヤと光沢を放っています。 もらったのは3年前。地植えする適切な場所がなかったので、取り合えず鉢に分けて植え、今年は3つの鉢で合計5つが芽を出しました。兄宅のロッカクレンのように立派に育つ様子もないので、本日、内径33cmの大きな鉢に植え替えてあげました。来年はきっと鉢の中で要らないほど増えるでしょう(・・・と、捕らぬ狸の皮算用)。(2023/4/28 記) |