記憶が曖昧ですが、二十年前くらいになるでしょうか、何かの用事で友人夫婦と榛名町(現高崎市)に出かけた帰り道、通り傍に大きな園芸店があって、急ぐ用事もなかったのでブラリと立ち寄りました。目的があって入った訳でもないのに、それぞれが草花や庭の飾り物を購入。 帰宅するとカミさんが、小さな苗木の鉢を持って、「これどこかに植えて」。 「何これ?」 「名前は分かんないけど、紫の小さな可愛い花が咲くみたい。店の外に置いてあったの」 幹はヒョロリと細くて頼りなく、根付くだろうかと思いながらも庭の卜伴(ボクハン)の隣に地植え。それから数年、枯れる様子もありませんが、成長も遅く、幹は相変わらず細いまま。花も咲きません。 「何だか地味な木だなぁ」と存在を気にせずに更に数年。その間に我が背丈を超えるほどに成長し、花も咲くようになりました。細い枝の先に、小さくて紫の花がポポポとたくさんまとまって咲いていて、まさにカミさん好みの風情です。 以来、根が定着したのか成長も速くなり、今では4mを超える高さに成長。主幹もそれなりの太さになりましたが、枝はそれほど太くなく、ノコギリを使わずとも、太枝切りバサミで切断できます。剪定すると、ほのかに甘くてハーブのような匂いが漂っていい気分です。 花が咲き始めた頃、挿し木に凝っていたカミさんが、このニンジンボクも挿し木。根付いた数本を鉢に移植すると、鉢の大きさに合わせてそれなりに育ち、シッカリと花を咲かせるようになりました。鉢の底から地面に根を伸ばしたようです。 今回紹介するのは鉢植えのニンジンボク。4m程に育った方は、青空を背景に撮りたいと考えているので、なかなかチャンスが訪れません。 ところで花の名前ですが、花が咲くようになっても私ら夫婦は知らずにいましたが、ある日、樹木や草花に造詣が深い友人のKさんが我が家を訪れ、「ニンジンボクが咲いてますねぇ」とさりげなく発言。以来、来訪者に名前を伝えることができるようになりました。 「ニンジンボク」の名前の由来は、葉が朝鮮ニンジンに似る一方で、草でなく木であるためとのこと。中国原産で様々な薬効があるようです(詳しくは→こちら)。ニンジンボクを検索すると、セイヨウニンジンボクの方が多く見つかります。両者よく似ているので、我が家のが正確にはどちらなのか分かりません。(2024/10/8 記) |