■日時:2016年(平成28年)2月18日ほか ■場所:新井ゆり子さんの紅型(びんがた)工房(伊勢崎市) ■制作者:伊藤正義さん、新井ゆり子さん(→伊藤さんと新井さんのこと) ■内容:型紙の紗張り 紗(しゃ)とは細い糸を格子に編んだ網状のものです。紗張りとは、この紗を型紙に張り付ける作業で、型紙の補強と独立して浮いた図形の位置を固定します。 今回のプロジェクトで彫った型紙(制作者:伊藤正義さん)の数は下表の通りで、これらに対して紗を張ります。
紗と接着剤、および型紙は昔と現在と異なっています。比較を下表に示します。ここで言う「昔」は正確な時代を定義するものではなく、伊勢崎銘仙生産全盛時(大正〜昭和中ごろ)の意味です。それぞれの変遷については未調査です。
紗張りの手順は下記の通りです。
小図形のため接着面積が狭いことに加えて、昔と今の材料の差異も原因したようです。昔の型紙は和紙に柿渋を塗ったもの。紗は絹で接着剤は漆。現在は型紙は洋紙で紗はポリエステル、接着剤はカシュー。これらの組み合わせによる接着力が昔に比べて弱かったようです。 このことは図案選定時からの懸念事項でしたが、 往時の材料が流通していない現在、今後の課題となりました。 なお、「時報塔(じほうとう)」 については、この後、図案を元に修復しました。 取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/2/21 記
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型紙の紗張り(4分49秒) 型紙の紗張り(型紙の「つなぎ」の切除) 型紙の紗張り(型紙の上に紗をかぶせます) 型紙の紗張り(1回目の塗り) 型紙の紗張り(2回目の塗り) |