■日時:2016年(平成28年)1月27日。9:00〜 ■場所:大山整経さん(伊勢崎市) ■協力者:大山整経さん(大山仙八さんご夫妻) ■内容:2016年1月27日午前、大山整経さんの工場で糸繰り作業と種糸作りを見学させていただきました。 取材・撮影・記録:上岡(Go!伊勢崎) 2016/1/30 記
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糸繰 |
糸繰り作業は主に奥様主動で行われました。フル稼働すれば40台のワインダーを同時回転できる電動糸繰り機は群馬県桐生市のSUZUKI IRON WORKS LTD製。1950年8月の製造です。65年と半年を経て未だ現役の糸繰り機です。 この日、稼働させたのは半分の20台。奥様が糸繰り機の前に立って左右に移動しながら、休むことなく両手を動かし、巻きの進捗が異なる20台のワインダーの面倒をみます。そのスムーズな動きは、全ての作業が頭と体に沁みついているようでした。作業風景は→こちらの動画でご覧ください。 SUZUKI'S HIGH CLASS WINDING MACHINE。SUZUKI IRON WORKS LTD。1950年8月製造。 大山整経さんでの糸繰り作業。 2016/1/27(3分28秒) 大山整経さんでの糸繰り作業 2016/1/27 |
種糸作り |
種糸(たねいと)とは、整経作業時の長さの基本となる糸のこと。種糸の制作方法はそれぞれの職人さんのノウハウと技術が圧縮された重要な作業で、全盛時には重要な企業秘密だったとのことです。 「そのような重要な作業を公開していいんですか?」と問うと、 「だって、今じゃみんな廃業したり亡くなったりして、真似する人が誰もいない」 と、明るく答えてくれました。その口調から胸中を読み取ることはできません。かつては基幹産業でありながら、今、消え去りつつある伊勢崎銘仙。その歴史をひも解くと、伊勢崎市民の一人として、寂しく残念な想いが過り、今回の復活プロジェクトへの想いが強まります。 そんな想いを抱きながら見学させていただいた種糸作り。糸を整経機に巻きつけて回転させ、数回転する度に尺定規を当てて位置を押さえ、朱肉で印を付けて行きます。長さを決める要素は「仮織り用織り付け」や「本織り用織り付け」、「サンプル」、「本反」、「織り終い(じまい)」など。それぞれ1尺5寸や2尺、2尺、3丈6尺・・・などと続きます。 種糸作りはご主人(仙八さん)が主動で行われましたが、位置を押さえる時など、奥様と確認しながら進めます。そのやり取りはピッタリと息が合い、夫唱婦随でこの道約60年、外野席から口を挟めない緊張感と仲睦ましい空気が漂っていました。作業風景は→こちらの動画でご覧ください。 大山整経さんでの種糸作り。 2016/1/27(3分50秒) |