川の名前がダム名に使用されている桐生川ダム。一般財団法人日本ダム協会が運営するウェブサイトによれば、群馬県内の46のダムの内、河川名がダム名に使用されているのは下記8ダムです。霧積ダムや大仁田ダム、白砂ダムのように、それぞれ霧積川や大仁田川、白砂川に建設されたダムもありますが、ダム名に「川」は付いていません。 ・・・などと細かいところにこだわるようですが、群馬県内や近県のあちらこちらのダムを訪れていると、何かの特徴がないと記憶に残らないので、河川名がそのままダム名に使用されていることは特徴の一つとなります。また下表で分かるように、河川名がダム名に使用されている8ダムの内、半分の4ダムが下仁田町大字南野牧に所在していて、偶然なのか地域性が影響したのか興味が湧きます。この地域に住んでいる人は、ダム名は河川名から付けるものと思っているかも知れません。
・・・細かい世界に入ってしまいましたが、桐生川ダムで記憶に残る風景は梅田湖(ダム湖)とその後方に横たわる根本山の山容です。 根本山(▲1,199m)は栃木県と群馬県(桐生市)境に鎮座しています。1999年11月27日、根本沢コースを歩いて友人ら4人と登ったことがあり、山頂は樹木に囲まれて見晴らしがイマイチだったものの、鉄のハシゴや鎖場が続く岩場に根本神社(本社)が建っていて、その異様な空間に強烈な印象が残っています。信仰の山だったとは言え、こんな危険な場所に何で? 「上州山歩」(読売新聞社)や「群馬の山歩き130選」(上毛新聞社)によれば、山岳信仰で江戸中・後期にかけて栄えたとのこと。21年前の登山当時でも朽ちかけていたので、現在どのような姿で残っているか分かりませんが、信仰の深さを知る思いです。 脱線ついでに加えると、帰路の根本山〜熊鷹山〜林道コースは緩やかな尾根歩きで、まるでハイキングコースそのもの。コースによって山の印象も異なるものです。 桐生川ダムが建設された桐生川は、この根本山に源を発し、途中いくつかの沢や川を合わせて渡良瀬川に合流します。梅田湖の上流には集落も点在し、渓流の風景は心癒されます。 偶然ですが、昨夕のNHKのニュースで、この周辺に県外ナンバーの車が訪れ、バーベキュー等のゴミを放置し、大音量で音楽をかけるなどの行為が続き、桐生市では渓流沿いへの立ち入りを禁止したと報道していました。新型コロナウイルス感染予防対策で自粛が請われている今、「山奥ならば」と息抜きで訪れたのかも知れませんが、マナー違反はどんな場所でもいけません。一帯は桐生川源流林として保全活動の対象地区です。 ダム以外の話題で終始しましたが、桐生川ダムはそんな根本山と桐生川を水源とし、桐生川源流林下流に造られたダムです。(2020/5/16 記) 【桐生川ダム】※現地説明板を参照 河 川:利根川水系桐生川 位 置:群馬県桐生市梅田町4丁目 型 式:重力式コンクリートダム 堤 高:60.5m 堤頂長:264m 堤体積:293,000m3 堤頂標高:EL 262.0m 【放流設備】※群馬県ウェブサイトを参照 非常用洪水吐:クレスト自由越流 H1.8m×B11.0m×16門 常用洪水吐(洪水期用):オリフィスラジアルゲート H3.2m×B4.0m×1門 表面取水設備:多段式(6段)ローラーゲート H32.47m×B2.5m 利水放流設備:ジェットフローゲート φ0.9m×1条 |
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桐生川ダム(2019/1/14) 動画で紹介利根川水系桐生川・桐生川ダム(3分11秒) 2019/1/14 桐生川ダム 位置図(Google Map) |
梅田湖(ダム湖)と根本山(1) 2019/1/14 梅田湖(ダム湖)と根本山(2) 2019/1/14 梅田湖(ダム湖)と根本山(3) 2019/1/14 |
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桐生川ダムカード Ver.2.0(2017.7) |