日本絹の里・第70回特別展 いせさき銘仙の美力 [ 伊勢崎銘仙・全体案内 ]  [ Home ]




おとこ着物美学

~羽織裏、長じゅばんにを求めて~

2015年8月1日()~9月6日(

裏勝り万祝い(まいわい)
更新日:2015/8/3
 いせさき明治館で男性着物を集めた企画展が始まりました。題して”おとこ着物美学”。
 展示されているのは、襦袢(じゅばん)や羽織裏、着物、反物など全30点。
 男の着物に隠された拘りは実に深く、謎めいてさえいます。襦袢と言えば着物の内側に着る衣装。外から見える部分は襟や袖などごく一部。しかも背中の場合、自分でさえ見えません。その襦袢の背中に施した様々な柄。
 羽裏(羽織の裏地)も同様で、着姿からは見えない場所に様々な柄が描かれてます。
 描かれているのは墨絵や浮世絵、美人画、鍾馗(しょうき)さん、愛嬌たっぷりの動物や勇猛な動物、テニスや野球、将棋の駒やマージャン牌、ひいては入場券や乗車券、新聞記事等々もあり、全く自由自在です。
  脱いで初めて見える場所への図柄にこだわった、男の着物文化。しかも羽織ならば人前で脱ぐ機会も少なくはないものの、着物を脱いで長襦袢を見せるのは一体どんな機会?などとついつい色っぽいことを想像してしまいます。
 誰にも見せない場所、誰からも見えない場所へのこだわり。これが”粋”と言うことなのかも知れません。着物世界ではこれを”裏勝り”と言います。
 男の美学か男の自己満足か?あなたの目で確かめに出かけてはいかがでしょうか?(2015/8/1 記)

裏勝り(うらまさり)

 江戸時代、贅沢を禁じるために様々な奢侈禁止令(しゃしきんしれい)が発布されました。服装に関しても、身分制度を維持するため、身分相応以上の服装を着用することは道徳風俗違反とされていました。そんな世相の時、富を得た町人や商人は「表が駄目なら裏で」と、表から見えない場所の図柄や構図、色に趣向を凝らし、粋を競いました。
いせさき明治館」(伊勢崎市曲輪(くるわ)町)
開館時間=10時~17時。月・火曜日休館。入館無料。TEL 0270-40-6885

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会場入り口を飾る男の着物。大漁で帰港した船乗りたちに万祝(まいわい)として寄贈された着物。

万祝(まいわい)

 江戸時代から戦前にかけて、船主や網元が鰯(イワシ)の大漁の時に配った祝い着。この風習は静岡から三陸海岸にかけての太平洋側のみで行われていました。布の生地は通常は木綿、たまに絹が使用されるとのこと。上図は絹。





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こちらは女性の着物・横縞の柄



1F洋間に飾られた横縞柄を集めた着物

こちらも女性の着物・丸い柄




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おとこ着物・2F和室

背中に様々な柄が後染めされた男性用長襦袢や羽織を展示



背中に様々な柄が後染めされた男性用長襦袢や羽織





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自由自在、様々な柄









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動物や人物



















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