群馬県玉村町の利根川に架かる福島橋。この橋の形式はニールセンローゼと言います。竣工は昭和60年(1985)です。 ニールセンローゼ形式はアーチ形式の一種類で、アーチ部材と補剛桁に曲げモーメントと軸力を持たせるローゼ形式の内、垂直材代わりにケーブルを張った型式のことです。 ケーブル部材はその細さを見ても分かるように、軸圧縮力は負担できず、軸引張力だけを負担する部材で、坂東大橋や広瀬川水管橋のような斜張橋(しゃちょうきょう)や、瀬戸大橋で多用された吊橋型式などの吊り部材として使用されます。 ケーブルに軸圧縮力を負担させられないので、他のアーチ形式の設計に比べるとその点が難易度が高い形式ですが、ケーブルが細い分、景観的には非常にスッキリとした型式です。遠目にはケーブルが霞んで、アーチ部材と補剛桁だけの橋梁のようにも見えることもあります。 |
親柱に刻まれた利根川の名前2011/3/27 |
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この形式で有名な大阪市の長柄橋(スパン=153m)や堺市の新浜寺大橋(スパン=254m)は、アーチリブの主構面がアーチ頂部(クラウン部)に向かって傾く、いわゆるバスケットハンドル型のニールセンローゼです。群馬県内におけるニールセンローゼ形式は福島橋だけではないでしょうか。 ・・・などと、橋梁形式には皆さん余り関心を持たないと思いますので、橋梁オタク話はこの辺で。最後に一点、この福島橋には下流側に同一スパン、同一形式の水管橋が架かり、2橋並べての全体の景観にも考慮した非常に貴重な橋梁です。(2011/8/25 記) |
2012年11月10日、東毛広域幹線道路の韮塚工区や玉村伊勢崎バイパス工区を見学した後、遅い昼食を取って一息入れると時間は午後3時半。晩秋の日暮は早いとは言え、このまま波志江町まで真っ直ぐ帰るには少し早く、と言って五料橋経由で利根川サイクリングロードを走り、玉村大橋経由で戻ると波志江町に着く頃には確実に暗くなるので、ちょっと無茶し過ぎ。 ここは思案のしどころと悩んだ挙句、まだサイクリングの運動量が不足な感じが決め手となって、結局、五料橋〜利根川サイクリングロード〜玉村大橋経由で戻ることに。 その決断に神様が味方してくれたようで、福島橋下流の「玉村大橋」を渡る頃にはちょうど夕焼けがいい感じで、眼下の利根川の流れと福島橋のシルエット、はるか後方には妙義山始め西上州の山並みのシルエットが見え、夕焼けのグラジュエーションに染まった空を背景に、素晴らしい光景を見せてくれました。(2012/11/19 記) |
福島橋(水管橋)の耐震工事や塗装工事 | ||
アーチ曲線と吊り部材のスマートさが美しい福島橋(南側から) 2011/3/27 仲良く並んだ福島橋と水管橋(南側から) 2011/3/27 |
手前が福島橋(道路橋)、後方が水管橋 ケーブル面の水平材は塗装工事の足場 2011/3/27 福島橋の橋面 2011/3/27 2橋の隙間。上流側が福島橋。 2011/4/17 |
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塗装工事が始まっています。 2011/5/8 |
左岸支点部。 配水管が下部工に貫通しています。 2011/5/8 |
支承部の変位制限装置でしょうか。 2011/5/8 |
工事案内 |
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塗装工事。鋼橋は架橋地点の環境にもよりますが、通常は十数年に一度、鋼材の錆防止のために再塗装を行います。コンクリート橋に比較した場合の弱点です。 2011/3/27 |
耐震補強工事 兵庫県南部地震以降、道路橋示方書が主に耐震編と下部工編を中心に見直され、全国の橋梁で耐震補強工事が進んでいます。支承部回りの対策が中心になります。 2011/3/27 |
塗装工事 2011/5/8 |
この場所から利根川サイクリングロードまで、 わずか数十メートルの距離です。 2011/4/17 |