三十数年前、家を新築した時、年配者から「本当に気に入った家を建てたいなら、人生で二度家を建てるしかない」と言われたことがあります。世間で言われていることなのか、その人の意見だったのか分かりませんが、実は非常に納得しています。 家を二回建てたことはありませんが、家を新築後、家族構成の変遷や社会と自身のライフスタイルの変化、建築工法や建材の進歩等を背景に、家に対する要求は徐々に変化し、今現在の要求は、新築時と相当にずれています。多くの人が同様な想いを抱えて住んでいるのでしょうが、家を建て直したり増改築するのは経済的に難しくとも、お金をかけずにちょっとした工夫で住み易くなることもあります。 暇に任せてDIYをしているのもそんな理由ですが、今回紹介するのは台所の隙間に収まる棚の制作。 我が家の台所には、システムキッチンと壁の間に隙間があって、以前は金属製の既製品の棚を置いていたのですが、「帯に短し襷に長し」のごとく、使い勝手が悪く、隙間からはみ出た部分が通路を塞ぎ、小柄なカミさんは平気だったようですが、私は時々「ドンッ!」とぶつかり、近寄りたくない空間でした。 そこで、作ったのがこの品物。A,B2つ制作し、平面的には2つ合わせてちょうど隙間の大きさ。流し台寄りのBの高さは、カミさんの要求に合わせて流し台と同じの858mm。Aの奥には使用頻度の低い物を置きますが、出し入れし易いように、Bにキャスターを付けました。 木材の家具が好きな我がカミさん、流し台も広がり、使い勝手もよくなったと、気に入ってくれました。メデタシ、メデタシ。(2017/6/15 記) 【寸法】 図面の掲載は省略しますが、両者の外形寸法は下記の通り。 ■A・・・410×630×1230 ■B・・・380×600×858(本体=808mm、キャスター=50mm) 【機能】 ■A・・・3段の棚。最上段にはDVD&ビデオ。天板の上にはテレビ。 ■B・・・奥に2段の棚。天板は流し台として使用。キャスター付きなので移動可能。 【材料】 ■柱・・・30×40×1800の6本束売りの角材。価格は6本で1,000円程度。 ■背板・・・板厚5mmの合板。900×5×1800(価格800円程度)をカット。 ■キャスター・・・H=50mm。硬質ゴム材で一個200円程度。 ■棚板、底板、天板・・・板厚25mm、28mm、12mmなど。ホームセンターの端材コーナーで1枚150〜300円(*)。900×1800からカットするのもOK。 【費用】 ■総予算=4,000円〜5,000程度ですが、実際は過去のDIYの残材も使用したので、今回の出費は2,000円程度でした。 (*)カインズホーム伊勢崎店の端材コーナーにはt=(25mm、28mm)×L=(600、900、1800)などの合板の端材が300〜800円程度で売っています。ジョイフルホンダやセキチュー、他のカインズホームでも探したことがありますが、見つかりませんでした。カインズホーム伊勢崎店だけの仕入れのようです。 |
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台所用隙間家具-Aを設置した隙間 |
台所用隙間家具-AとBを設置した隙間 |
台所用隙間家具-A・製作過程 |
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加工した部材 背板、側板に梁(棚板受け)取り付け |
背板、側板に柱取り付け 加工して組み立てた棚板 |
底板と中段の棚板取り付け 塗装完了 |
3段目の棚板取り付け 塗装完了 |
別途組み立てた最上段の棚取り付け 棚板の奥に開けたコード類を通す穴 |
台所用隙間家具-B・製作過程 |
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中段の棚組み立て 上段の棚取り付け 完成 |
中段の棚に底板取り付け 底面にキャスター取り付け 完成 |