小さな川が流れ、川と平行に小路が通り、竹やぶや生け垣で囲われた古びた建物が並び、小川の堤防は緩やかで、所々で降りることができ、そんな昔ながらの懐かしく優しい風景が伊勢崎市と前橋市の境界近くにあります。 場所は前橋市東大室町、川の名前は桂川。大室公園の東側、多田山産業団地の西側を流れる桂川脇の道路を南下し、そろそろ国道50号を走る車の音が聞こえて来るだろうか、と思う頃にその場所はあります。 国道のすぐ近くであることが信じられないほどに静かな区域で、小路も道幅が狭いせいか通行する車両も少なく、サイクリングや散歩が似合う風景です。(2011/1/7 記) |
伊勢崎市の西側から南側を流れる利根川、川幅は約1km。 オートレース場の北で荒砥川の水を集めて旧市街地から茂呂、豊受を経て境平塚まで流れる広瀬川。川幅はそれほど広くはないものの、親水性はそれほど高くなく、水辺で遊ぶ場所はごく僅か。 西野神社の南で赤堀に入り、旧市街地を縦断して境上武士で広瀬川に合流する粕川も同様。 それぞれ水辺で釣り糸を垂れる人を時々見かけますが、基本的には高い堤防から水の流れを眺める川です。洪水時の計画高水位をクリアするために堤防高はかさ上げされ、水難事故防止のために川は親しみ遊ぶ存在ではなく、危険で遠ざける存在になりつつあります。広瀬川ラブリバー親水公園や、鹿島町と堀下町で飛び石伝いに対岸まで渡れるよう整備された親水護岸も、今では痕跡が僅かに残る程度で、遊ぶには危険です。 水泳を川で覚え、川の危険性を体験で学んだのは、半世紀以上前に子供時代を過ごした人たちと思いますが、自己責任を問い難く、危険なことは事前に禁止する社会システムとなった昨今、川で遊ぶ子供たちや川で子供を遊ばせる大人たちがいなくなったのは、寂しい想いがあります。 そんな昨今、堤防高が低く、常時の水位は足首程度で、護岸も自然石と蛇籠を使用するなどして植生を復元している桂川のこの区間は、靴を脱いで遊びたくなる気持ちを誘います。(2015/5/16 記) |
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2015/5/10 |
2015/5/10 |
休日のぶらりサイクリングでは、車が往来する道路は極力避けています。路肩や歩道の走行が危険だったり、排ガスを吸わされたりするので、運転に気を使うばかりで、周囲の風景を楽しめないのが大きな理由です。 ここ桂川沿いの道は、大きな古墳や遺跡群が点在する多田山周辺に出かけるときに見つけた道路で、道幅は、車一台がギリギリ通れるほどの狭さで、車に出合うことはほとんどありません。川は右に左に大きくカーブし、石積みされた護岸も緑に覆われ、自然さが十分に残されています。そんな中に建つ集落は緑いっぱいの敷地に囲まれ、自然の中に溶け込んでいます。 渡月橋で有名な京都・嵐山の風景は映像でしか見たことはありませんが、川と集落、自然が織りなす風景としては、こちらも負けてはいません。何よりも、いつもこの風景を一人占めできるのが素晴らしいことです。 今年は残念ながら、桜の時期に思い出さず、川に垂れる桜の風景は撮れませんでしたが、菜の花に覆われた風景に身を置き、全身をリフレッシュして来ました。国道50号から自転車で1分の距離にありながら、静寂に包まれた春の風景です。(2014/4/28 記) |
まだまだ緑濃い秋。でもかすかに紅葉を予感させる雰囲気が漂う。 2012/11/4 桂川の流れと脇の小路。ひっそりとした佇まい 2012/11/4 |
大きなケヤキと生け垣、小路と小川と緩やかな勾配の堤防と 2011/1/1 |
カーブする小川と河川敷の緑、竹やぶと古びた建物 2011/1/1 |
川面に垂れる桜、瀬を造る小川。はるか後方には赤城山。 2011/1/1 |
小川の脇に建つ古びた木造家屋が優しい 2011/1/1 |
竹やぶとカーブする小川と小さな橋 2011/1/1 |
段差の低い堰、堤防を覆う枯葉。 2011/1/1 |
車1台がギリギリ通行できるコンクリート橋 2011/1/1 |