皆さんはご存知でしたか? 生ゴミを下水に流せること。 2008年2月1日号の市の広報誌に「ディスポーザをご利用ください」 と言う記事がありましたね。実はその記事のことなんです。 理屈は簡単! 台所の流しの下で生ゴミを粉砕して、水と一緒に下水に流してしまう とこれだけ。 生ゴミを粉砕する機械を「ディスポーザ(disposer)」と言います。 「粉砕」とか「機械」と聞くと大袈裟な装置の響きがありますが、 簡単に言えば「ジューサミキサー」ですね。 皆さんも、ミキサーを使って野菜ジュースやバナナジュースを作ったことがありませんか。 あれと同じ理屈。 |
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各戸の生ゴミ対策が便利で衛生的になり、市のゴミ処理費用の軽減(*1)にも協力でき さらに・・・ 各戸から流された粉砕後の生ゴミは市の浄化センターまで辿り着きますが、し尿や生ゴミ処理時に発生するメタンガスは再利用(*2)しているとのことなので、エネルギ対策にも一役買っています。 今回は対象地区(*3)を絞った「社会実験(*4)」として行われ、残念ながら市内全域が対象ではありませんが、この社会実験の推進状況や公共下水網の普及に従って範囲も広がると予想しています。数十年前には汲み取り式が多かったトイレも、現在では水洗トイレがごく当たり前になっています。生ゴミ処理も同じような経緯を辿ると思われます。 ゴミ対策、エネルギ対策、エコ、衛生的、住環境改善・・・ と現在の社会のキーワードがたくさん詰まったこの事業、皆さんも是非とも協力しませんか! ここで、気になる費用ですが・・・ ネットで「ディスポーザ」と検索しましたら、出てくる出てくる、とても多くの商品が出て来て驚きました。安いものは5万円くらいからありました。高いものは10万円以上。現在は外国製品が多いようです。また、他の自治体では既に普及しているところもあります。 市の広報誌によれば、市から本体価格の半額(上限2万円)の補助金が出るとのことです。 5万円の商品ならば、自己負担が3万円で日々の生ゴミ処理から開放されます。今がチャンス。 (*1)ゴミを焼却処理する時に、生ゴミは水分を多分に含んでいて、焼却にはとても費用がかかっています。昨今の燃料費高騰も気になります。 (*2)メタンガスのエネルギ変換についてはこちら。 (*3)「中心市街地活性化基本区域」が対象です。 ただ、他の公共下水整備区域やディスポーザ対応の浄化槽を整備した区域では現時点でも対応可能のようです。 (*4)良い事ずくめの「ディスポーザ」も、公共下水を利用することですから、その利用については多方面への影響もシッカリと調査、研究しなければなりません。例えば、下水の中のし尿、生ゴミ、水分などの成分比率が変化することにより、下水処理場の現在の機能に負荷がかからないかとか気になりますね。これらも、今回の社会実験で明らかになるでしょう。 先日、伊勢崎市の担当部署に確認したところ、下水処理場の機能はまだ十分に余裕があるとのことでした。一安心。 詳しくは伊勢崎市都市計画部下水道管理課にお問い合わせください。 余談ですが、今回、皆さんに紹介したのにはこんな経緯が・・・ 以前、中心市街地開発に携わるある方とお喋りをした時、 「街中では『ディスポーザ』の設置が認められそうなので、マンションや住宅を建設する時、生ゴミ対策が一挙に解決できます」 との話題が出たことがあります。 郊外に比べて広いスペースが少ない街中住宅地や多くの人が1つの建物に暮らすマンションなどではゴミステーションをどこに設置するかは住人の悩みの種。 特にゴミ袋の中の生ゴミが問題で、 猫や犬、カラス等が突いて食べ散らかし、その周辺にゴミと悪臭を撒き散らします。そうなると、そこの住人だけでなく、通過する人達も不快になります。 この話を聞いて 「お〜、生ゴミを台所の流しから流せるのかぁ、便利だなぁ」 と非常に関心を持っていたところ、今回、広報誌でも紹介されて、 「お、いよいよスタートかな?」 と。そんな時に市役所からもう少し詳しい情報をいただきましたので、ここに紹介した次第です。 伊勢崎市のパンフレット(表)、 (裏) |
平成20年2月11日 掲載 |
ディスポーザのことが分かったところで、次はバイオガス発電です。
もうチョットお付き合いください。
マイクロガスタービン(MGT)発電設備仕様 | |
外形寸法 | 幅800mm×高さ2450mm×長さ2400mm |
出 力 | 30kw/h |
タービン | 1軸式再生リサイクル形 |
回 転 数 | 最大96,000rpm |
電圧・周波数 | 400V・50Hz(200V仕様可) |
排熱ボイラー | 伝熱面積4.45u保有水量22リットル |
発電機の中はこんな風になっています。 → う〜ん、ちょっと難しいですね。 |
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難しながらも興味が湧いて来たところで、更にバイオガス発電フローもお見せしましょう! (更に大きな画像) これもまた、ちょっと難しいですねぇ。でも、浄化槽で溜まったメタンガス(フロー左上)がタービン(フロー右下)で電力へ変換されている様子がざっと分かりました。 |
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このようにして生み出された電力に対して、「グリーン電力証書」と言う制度がありまして、 伊勢崎市のこの電力が実際に 何と! プロ野球で利用された事例 を下記に紹介します。 グリーン電力証書について 自然エネルギー利用ナイター開催 グリーン電力証書活用 プロ野球で初 ※日刊工業新聞(平成19年9月11日)から引用。 自然エネルギーによる発電を利用したプロ野球公式戦が11日、神宮球場(東京都港区)で開催されるヤクルトスワローズ対読売ジャイアンツ戦で行われる。 ヤクルト球団の公式スポンサーであるインテル(茨城県つくば市)およびレノボ・ジャパ ン(東京都港区)の試みで電力会社から供給されたエネルギーを自然エネルギーによって発電されたとみなす「グリーン電力証書」制度を活用する。 環境配慮をアピールしたこうした試みはサッカーやゴルフの試合などスポーツ分野に広がりつつあるが、プロ野球では初めてという。 今回、発行されるのは球場内の照明や電工掲示板などのナイター運営に必要な電力の1割程度と見込まれる5000キロワット分。 家庭や工場からの汚水の浄化過程で発生するメタンガスを有効活用して発電するバイオガス発電でまかなったとみなす。 自然エネルギー・コム(東京都中野区、山口勝洋社長、03・5318・3334)がグリーン電力証書を発行する。 証書の電源となるのは群馬県伊勢崎市が運営する「伊勢崎浄化センター」内にあるバイオマスガス発電設備。 また、伊勢崎市のこの事業は GIAC(広域関東圏産業活性化センター)の「グリーン電力基金」の助成金制度にお世話になっています。 |
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以上、バイオガス発電の紹介でした。何となくでもお分かりいただけましたか? 更に詳しく勉強したい方は伊勢崎市の下水道管理課にお問い合わせください。 |
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平成20年2月22日 掲載 |
伊勢崎市のバイオガス発電や下水処理について、伊勢崎市の環境政策課からとても分かりやすい図解の資料をいただきましたので紹介します。 | |
まず・・・ 家庭やお店、事務所や学校のトイレから毎日流される汚水、 台所から流される雑排水、 雨水ますや道路から流れてくる雨水、 これらは一体どこへ集まり、どこへ流れて行くのでしょう? ・・・ それは 汚水や雑排水は汚水専用の下水管(汚水管)へ 雨水は雨水専用の下水管(雨水管)へ 集められます。 そして、雨水は最寄の河川へ流れ、 下水は下水処理場へ流れて行きます。 ディスポーザで砕かれた台所の生ごみは汚水と一緒に流されます。 |
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下水処理場(伊勢崎浄化センター)に集められた汚水は いくつかの沈殿池を通過し、 水は滅菌後に河川(広瀬川)に流され 溜まった カスはセメント材料 に再利用され、 そして メタンガスは発電 に再利用されます。 カスで作られるセメント材料は 歩道の材料等に利用され、環境にも優しいとのことです。 詳しくは次回の宿題に・・・ このように、 汚水や生ごみは どれもが新しいエネルギや材料に再利用され、 また浄化された水は地球に戻されます。 まさに エコサイクル です。 |
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平成20年2月26日 掲載 |