「太陽が大好きな庭」は4月〜6月の各月の公開。5月の公開日にお邪魔する計画を立てていたところ、初日は一日中雨天で、2日目にも回り切れず、お邪魔したのは5月20日(土)。幸いにも庭主さんが在宅で、話を伺いながら、ゆっくりと庭を見せていただきました。庭づくりに対する思いを伺った中で、印象に残ったのは「いじらない」と言うこと。 草木が育つに相応しい場所や環境、植物相互の相性、また成長具合など、基本的には草花や樹木自身に任せて、できるだけ手を加えないで育てたいと言う考え方です。その背景には山や山野草が好きなため、庭を自然の風情に仕上げたいと言う願いがあるようです。その思いは十分に反映されていて、普通の住宅が3,4軒は建つほどの広さの庭は野趣に溢れ、縦横に走る木道は登山道をイメージさせます。地面を覆うように生える植物は多種多様で、畑や路傍に生えるいわゆる雑草ではなく、チゴユリやギボウシ、イチゲ、エビネランなど山野の植物が主役です。 木道や木のチップが敷かれた通路の随所には、朽ちた樹木や自然石、用を終えた農作業道具、陶器等がオブジェのように置かれ、風景の一部として溶け込み、古民家の主屋とマッチしています。 その一方で、庭全体に山野の風情が漂うなか、一画でバラが咲いています。その場所は古い蔵の壁。白壁の一部を覆う焦げ茶色の板に鉄のメッシュが取り付けられ、将来的にはこの壁をバラで覆いたいとのこと。洋の花・バラと古い和の建物・蔵とのコラボレーション。和で覆われる庭において、アクセント的存在のバラのコーナーです。 草木自身の力に任せて育む、山野の風情漂う庭「太陽が大好きな庭」でした。(2017/5/22 記) |
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オブジェのように置かれた陶器 陶器の水瓶と水草 |
平成28年度ぐんま花のまちづくりコンクール・優秀賞 大八車の車輪 古株で育つ植物 |
庭を埋める草木。木のチップが敷かれた小路。 |
イチゲ 草花の一部として咲くエビネラン 赤いバラ |
大きな自然石の上で群生する小さな花 木のチップの通路 白いバラ |
庭の黒松。手入れはご主人担当とのこと。 |
西の正門脇。新緑が黒い木塀に映えます。 |
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蔵とバラ 和の趣が漂う古民家の主屋 |
蔵を覆う臙脂色のトタン板 西側の正門 |