「オープンガーデンいせさき」の最後のレポートはガーデン「葉っぱ物語」。公開日に訪問できなかったため、一週間後の土曜日にお邪魔しました。庭主さんは不在でしたが、ご主人に許可をいただいて見学させていただきました。 ガーデン「葉っぱ物語」が「オープンガーデンいせさき」に参加したのは2014年。以来4年間、毎年見学させていただき、いつも学ぶことがあります。それは、ガーデニングにおいても重要なことは「センス」であること、細部の作り込みも必要ながら、トータルデザインが重要であること。 このことは、世の中全てに言えることなのかも知れませんが、ガーデン「葉っぱ物語」の庭で、色や形状、大きさ、背の高さが異なる多種多様な葉っぱたちが、自身の場所で存在を主張しながらもお互いに重なり合って、相手を引き立て、変化を生み出し全体で調和している姿を見ると、そのことを改めて強く感じます。 ガーデニングを楽しむとき、個々の植物の個性や特性が際立っていても、鉢植えにして室内で楽しむ場合などを除き、庭に置くと広さに埋もれ、他の植物に負けて特徴を失ってしまう場合があります。時には植える場所も決まっていないうちに購入し、無理矢理隙間を探して植え込んでしまって後悔することもあります。ガーデン「葉っぱ物語」を見ると、そんな悩みの回答やヒントを得ることができます。個々の植物の特性を活かしながら、お互いが隣り合い、重なり合ったとき、自分の役割も失わずに、全体として大きな相乗効果を生み出していること。これを可能にしているのは、ベースに横たわる庭主さんのセンスとトータルデザイン力なのでしょう。 回答やヒントを得られても、自分のガーデニングに活かすことができるか自信はありませんが、今年の見学で、具体的な一例を教えていただいた気がします。それは、庭主さんがこの日の訪問者を予定していなかったのか、庭の隅に置かれた籠に、剪定された様々な葉っぱがいっぱいに詰まっていて、舞台裏を見せてもらった思いですが、整った庭の陰に大胆な剪定作業が行われていることを知ったことは大いに参考になりました。 遊歩道の石畳、陶製の鉢やオブジェ、木製ベンチなどが葉っぱの間に見え隠れし、草木で埋まる庭にアクセントや変化、楽しさを加えてくれることも、ガーデン「葉っぱ物語」が教えてくれるガーデニングの楽しさでした。(2017/10/24 記) |
多種多様な葉っぱで埋まる庭。大きさが様々に異なる遊歩道の石畳。 同上の位置で角度を少し右にずらしたシーン |
庭の奥の休憩スペースに置かれた木製ベンチ 大きな鉢でくつろぐように置かれた小鳥の小物 山野の風情 |
木立の中に置かれた大きな陶製の花瓶 水瓶の中では水生植物 葉っぱの間に置かれた野鳥の餌台 |
様々な葉っぱと石畳。左奥で咲くミヤコワスレ。 花壇と芝生との境界を彩る大きな葉っぱと小さな紫の花 |
バラやルピナスで覆われた生垣 ベンチを囲むバラのアーチ |
横たわる巨石が創る空間、陶器の大きな鉢のアクセント さりげなく置かれた鉢が石畳の小路へ誘います |
鉛丹色の木製ベンチ。曲線形状と一部朽ちた様子がアンティーク感を醸し出しています。 花で埋まるハンギングバスケット 樹木のアーチで造られた門と周辺 |