「和風の庭園」は「オープンガーデンいせさき」に今年初参加の庭です。南東方向140mの距離には、同じく「オープンガーデンいせさき」に参加している「太陽が大好きな庭」があります。 「和風の庭園」は名前の通りにまさに和風庭園ですが、和風庭園と一言で説明するだけでは表現しきれない楽しさやこだわりが随所に工夫されています。 その一つは茶室。茶室は主屋続きの離れの一室に設けられ、露地には和の草木が植えられ、石橋が架かり、待合も設けられています。待合の踏み石は正客座と相客座とで区別するなど、本格的です。 2つ目は滝と渓流、庭を巡る小川。滝は三段に分かれて変化を創り出し、落差は3,4mあります。滝から落ちた水池に溜まったあと、渓流となって庭を一巡りします。滝の水は間欠運転で流れ出し、循環させて利用しているとのことですが、その風情は山中の滝を見ているようで、家に居ながらにして自然の風景を味わうことができます。 3つ目は岩風呂の露天風呂。庭の一画から入ることができ、湯船は同時に5,6人が入れる広さです。着替え室も凝っていて、木製の巨大な酒樽のような円筒形で、室内の壁に沿って車座の椅子が据え付けられています。 庭の築造は家を建てた昭和40年ころから取り掛かり、設計はすべて庭主さんが行ったとのこと。庭主さんは、伊勢崎銘仙全盛時には捺染加工業を営み、銘仙製造が衰退した後には、銘仙で培った技術を利用して新しい捺染やプリント、新素材の布地を生み出し、その製品は高級品として、首都圏の百貨店はじめ全国展開したとのことです。茶室や露天風呂を備えた当和風庭園は、当時、仕事で招いた客人にも利用してもらったとのこと。 庭園を自身で設計し、書や油絵なども嗜む庭主さん。そのお人柄を感じさせる楽しくてこだわりに溢れた「和風の庭園」でした。(2017/7/4 記) |
石畳の遊歩道と小川が巡らされた静かに佇む「和風の庭園」 |
巨石の脇に置かれた自然石を加工した街灯 庭の一画に石碑が建っています |
白い小石が敷かれた小川に水が流れます 石をくり抜いた水瓶 |
和を醸し出す石の小路とサツキやリュウノヒゲ、自然石 大きな自然石の前に広がるリュウノヒゲ。枯れ木がオブジェ化しています。 |
岩山から流れ落ちる三段の滝 滝を落ちた水は池に溜まり、園内を巡ります |
茶室前の庭 |
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待合。 踏み石は、中央が正客座に据えられた正客石、 両脇が次客以下の相客座に据えられた相客石。 |
茶室へ向かう露地に架かる石橋。 右側奥に茶室があります。 |
庭の一画から露天風呂入り口へ 露天風呂入り口 |
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露天風呂 |
脱衣所 |