「景観とまちづくり」/景観まちづくり 2013年 表彰式・講演会  [ Home ]




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平成24年度 景観まちづくり 表彰式・講演会

掲載日:2013/2/16
 2013年2月14日(木)、午後1時から午後3時半まで、境総合文化センター小ホールにおいて、平成24年度 景観まちづくり 表彰式・講演会が開催されました。伊勢崎市景観サポーター・伊勢崎市の主催、関東地方都市美協議会の後援です。
 今年制度2年目となった景観表彰は一般部門として伊勢崎市内の3つの建築物が表彰され、公共部門として1つの建築物が表彰されました。講演会では、会津若松のまちづくりに尽力され、数々の役職を歴任されている渋川恵男(しぶかわともお)氏が「会津若松市(七日町)のまちづくり」と題して、疲弊する地方都市の現状分析や課題を論じ、具体例として七日町通りの各店舗のBefore・Afterを説明し、それぞれの店舗が、ひいては町全体がいかに「交流人口」を増やしたかについて講演しました。以下、当日のレポートです。(2013/2/16 記)

【主催】伊勢崎市景観サポーター・伊勢崎市
【後援】関東地方都市美協議会
【担当部署・問い合わせ先】 伊勢崎市都市計画部都市計画課 〒372-8501 群馬県伊勢崎市今泉町二丁目410

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景観まちづくり賞表彰式

 景観まちづくり賞を受賞したのは下記の皆さんです。
【一般部門】
■特別養護老人ホーム「ぶどうの郷」(伊勢崎市宮古町)
■割烹 天ひで(伊勢崎市連取町)
■SMARK 伊勢崎(伊勢崎市西小保方町)
【公共部門】
■伊勢崎市立北小学校(伊勢崎市曲輪町)

表彰に先だって五十嵐伊勢崎市長のご挨拶


特別養護老人ホーム「ぶどうの郷」の受賞者の皆さん


「SMARK伊勢崎」の受賞者の皆さん


各建築物の受賞理由を講評する
伊勢崎市景観審議会会長の小林享氏

あいさつする五十嵐伊勢崎市長


「割烹天ひで」の受賞者の皆さん


伊勢崎市立北小学校の受賞者の皆さん


講演を聴く会場の皆さん
伊勢崎市景観まちづくり賞とは・・・

平成24年度伊勢崎市景観まちづくり賞について
(会場に展示されたパネルから)

平成24年度伊勢崎市景観まちづくり賞・受賞建築物
(会場に展示されたパネルから)




講演会

「会津若松市(七日町)のまちづくり」

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渋川恵男(しぶかわともお)氏プロフィール

●会津若松商工会議所副会頭
 株式会社まちづくり会津 代表取締役
 会津若松観光物産協会 副会長
 七日町通りまちなみ協議会 会長
 有限会社渋川問屋(料亭・旅館)代表取締役
●国土交通省認定 観光カリスマ
●経済産業省認定 中小企業サポーター
●内閣府認定 地域活性化伝道師

講演に先立ち、
伊勢崎市景観サポーター代表・荻原 茂氏からご挨拶


講演する渋川氏

講演する渋川氏


途中、上着を脱ぎ、講演を続ける渋川氏

東京を追い駆ける姿勢が地方の個性を奪い、価値観を変えてしまった

交流人口の増加で地方都市を活性化

年間100万人の交流人口で定住人口3万人の経済効果

 渋川氏はまず会津若松をこんな風に紹介しました。

 会津若松は戊辰戦争で街中は全て焼き尽くされた。街はそれ以来の再興なので古くはない。1986年に日本テレビ系で放映した年末時代劇の第2作として製作された映画 『白虎隊』(びゃっこたい)が大ヒットし、その年の年間観光客は380万人。これに刺激され「誘客500万人実行委員会」を立ち上げるものの思惑は外れ、結果は110万人減少し、270万人に。

 次に氏は、全国地方都市の衰退原因をこのように分析しました。
 現在、全国の商店街は4割がシャッター街。全国津々浦々にできたミニ東京はやがて飽きられて衰退。郊外には大型ショッピングモールが進出し、週末に家族連れで買い物と食事。洒落た品物は近隣の大都会か東京で求める。地元の似非東京よりも新幹線や高速バスで気軽に往復できる本物の東京へ。地方の勤労機会の不足により、若者は東京圏へ就学・就職を求めて流出。

 そして導かれた結論として、この状況を克服するには交流人口を増やすことが重要と説きます。年間100万人の交流人口があれば、定住人口3万人と同じ経済効果を得られるとのこと。渋川氏ご本人曰く、この理論を「愚直」に信じて七日町通りの活性化に取り組み、当初1,000人だった年間交流人口が翌年には2,000人へ、やがて5,000人、10,000人、20,000人と増え続け、今年は30万人に達する勢いとのこと。そして更なる目標は年間100万人の交流人口です。人っ子一人いなかった街が行列ができる店が並ぶ街へ変貌し、今もまだ発展中です。

 では、具体的にはどのような対策を講じたのでしょうか。
 最初の一歩は5坪の空き店舗の改修でした。
 以下、渋川氏が会場スクリーンに映した映像で紹介します。
Before After

七日町通り活性化の最初の一歩。
たった5坪の店ですが、閉じようとした時に改修し
「やまでら茶屋」としてオープン。
やがて行列ができる店に。

看板建築の看板を除去し、木の壁を表に出し
しっくい壁造りに。



アルミサッシを交換しシャッターを除去


黒しっくいに塗り替え、瓦交換、大きな暖簾


屋根葺き替え、木の屋号、暖簾


しっくい壁と下屋の屋根、サッシ戸を木製に交換


しっくい壁と下屋


















蔵をそのまま利用し、入口回りを改修
JR七日町駅(七日町がJRから借りて改修)

放置自転車を撤去し、建物を造り直す
中には七日町駅カフェがあって繁盛している
 いくつかの店舗や事務所などが改修を進め、徐々に街中景観が整い始めると、自主的に街の景観に合わせた改修を進める動きも出始めたとのことです。





この店は「鶴べいの家族に乾杯」で放映され、
店主は今では有名人とのこと



和風切妻の大屋根のファミリーマート
近所のコンビニを通り越して来訪するお客もいるとのこと。

 現在、日本全体の年間交流人口は3億2千万人。人口の自然減が進む中で、交流人口はまだまだ増加中とのことです。自然減の人口や街中衰退の現状に挫けずに、交流人口の増加を目指して頑張る会津若松市。
 ミニ東京の失敗と郊外の大型ショッピングモール、街中の空洞化。全国の地方都市が共通に抱える問題点は我らが伊勢崎市においても共通ですが、まだまだできること、やらなければならないことはたくさんあるように思います。小布施町や栃木市、塩沢の街など、景観サポーターでまちづくりの成功事例として訪れた先進都市視察と同様、会津若松市の取り組みは大いに刺激を受け、参考になるものでした。(2013/2/16 記) 

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受付や会場の準備を進める景観サポーターや市の担当部署


一同全員集合して作業説明

準備が整いました

会場の準備

受付準備

早くも来場者が訪れました

来場者を待つ座席




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