埼玉県秩父市に鎮座する秩父の総社・秩父神社。その例大祭として、300有余年の歴史を誇る”秩父夜祭”。 日本三大曳山祭りに数えられ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。開催期間は毎年12月1日〜6日。2日が宵宮、3日が大祭。大祭の夜には秩父神社から1km離れた”御旅所”へ向けて御神幸(ごしんこう)行列が出発し、6台の山車(笠鉾・屋台)がそれに続きます。 12月3日の午後6時過ぎ、上町屋台、中町屋台、中近笠鉾、本町屋台、下郷笠鉾、宮地屋台の各地区6台の山車が市中を曳行されて秩父神社周辺に集まり、御神幸行列に向けて待機します。 祭りのクライマックスは”御旅所”。 午後6時30分、先頭に神輿、御神馬2頭とする御神幸行列と6台の山車(屋台・笠鉾)が秩父神社を出発し、”御旅所”に集結します。特に、6台の山車が御旅所手前の急坂「団子坂」を曳き上げられる光景が圧巻とのこと。 秩父夜祭のもう一つのみどころは花火大会。打ち上げ場所は芝桜で有名な羊山公園。高台の公園のため、観覧場所が多く、四方八方から眺めることができます。2016年12月3日のプログラムは 19:30 日本芸術花火大会 20:30 煙火主催町競技花火大会 21:00 虹のスターマイン大会 21:55 フィナーレ 12月1日には、日本国内の「山・鉾・屋台行事」(18府県の計33件)の一つとして、ユネスコ無形文化遺産への登録が決定されました。そのことや大祭日の12月3日が土曜日であったこと、穏やかな快晴に恵まれたことなどが手伝ってか、新聞報道によれば、記録が残る2005年以降で過去最多の約33万人の見物客が訪れたとのこと。 大祭日の12月3日、御神幸行列通過時間前後には団子坂周辺は立ち入り禁止となり、御旅所の一般観覧席(有料)も抽選とのことで、急坂を曳行される姿や、6台の山車が広場に勢揃いした光景は見ることはできませんでした。 それでも、始めて見物した秩父夜祭、昼から午後10時まで、秩父の街中めぐりや昼間の様子、山車の彫刻や装飾なども含めてタップリと堪能しました。(2016/12/15 記) |
秩父夜祭。大祭12月3日の昼と夜の様子(10分18秒) 2016/12/3 |
上町屋台(かみまちやたい)高さ約6.7m、重さ約13t。4台の屋台の中で一番大きな屋根上町屋台(1) 上町屋台(2) 上町屋台(3) 上町屋台(4) 上町屋台(5) 上町屋台(6) 上町屋台(7) 後ろ幕は鯉の滝登り 上町屋台(8) 上町屋台の歴史 |
中町屋台(なかまちやたい)高さ約6.7m、重さ約14t。 4台の屋台の中で最大の屋台中町屋台(1) 中町屋台(2) 中町屋台(3) 中町屋台の歴史 中町屋台(4) 中町屋台(5) |
中近笠鉾(なかちかかさぼこ)高さ約5.5m、重さ約15t。中村町・近戸町の2町会の笠鉾中近笠鉾(1) 中近笠鉾(2) 中近笠鉾(3) 中近笠鉾(4) 中近笠鉾(5) 中近笠鉾(6) 中近笠鉾(7) |
本町屋台(もとまちやたい)高さ約6.5m、重さ約12t。本町屋台(1) 本町屋台(2)。後ろ幕は子供の玩具。中央の大きな達磨(だるま)が特徴的。運行組織は達磨会。 本町屋台(3) |
下郷笠鉾(したごうかさぼこ)高さ約7m、重さ約20t。高さ重さ共に6台の山車の中で最大。下郷地区(金室町、永田町、柳田町、阿保町、大畑町、滝の上町)6町会の山車 下郷笠鉾(1) 下郷笠鉾(2) |
宮地屋台(みやじやたい)高さ約6.5m、重さ約12t。6台の屋台の中で最古の歴史をもつ。宮地地区(上宮地、中宮地、下宮地)の屋台秩父神社境内に置かれた宮地屋台。この舞台で屋台歌舞伎(*)が演じられます。 (*)秩父夜祭で演じられる歌舞伎は宮地、本町、上町、中町が年ごとの当番制で担当しているとのこと。 |
秩父神社秩父夜祭はここ秩父神社の例祭。12月3日午後6時半頃、御神幸行列が秩父神社を出発して御旅所に向かいます。行列の後ろには6台の山車が続きます。山車は大勢の曳き手によって曳行されます。 秩父神社大鳥居 秩父神社と境内を埋める参拝者 秩父神社の社殿(右)。左は宮地屋台。 |
御旅所と団子坂秩父神社を出発した御神幸行列と6台の山車がここ御旅所(秩父公園)に到着。御旅所手前の急坂は団子坂。山車が団子坂を曳き上げられる頃、祭りは最高潮に達するとのこと。 その前後の時間、周辺は立ち入り禁止となり、坂の途中には観覧席が設けられます。 団子坂(坂下から) 団子坂(坂上から) 御旅所。中央は観覧席(有料、抽選)、後方は秩父市役所庁舎。 御旅所から眺める武甲山 |
2016年12月3日、秩父夜祭見物のため伊勢崎市から秩父市へ。伊勢崎市の南端を流れる利根川。坂東大橋を渡れば埼玉県です。本庄市、皆野町を抜け、途中、小鹿野町へも少しの寄り道。 目の前に近づいては去って行く丘陵や低山には、まだまだ黄葉が残り、青空を背景に輝いていました。その風景は秩父夜祭の素敵なプロローグでした。 埼玉県秩父郡小鹿野町を流れる赤平川。荒川の支川です。その右岸の白い大きな崖「ようばけ」は国指定天然記念物に指定され、高さ約100m、幅約400mの巨大な地層の露頭です。今から1,500万年前に堆積し、第三紀層と呼ばれる「ようばけ」の地層からは、魚介類の化石が多数発見されたとのこと。(2016/12/19 記) 「はけ」とは秩父地方の方言で「崖」の意味。 |
黄葉の秩父路と巨大な地層の露頭「ようばけ」(2分11秒) 黄葉の秩父路 2016/12/3 黄葉の秩父路 2016/12/3 両神山 2016/12/3 巨大な地層の露頭「ようばけ」(埼玉県秩父郡小鹿野町)2016/12/3 |