春・キンラン、ギンラン [ 街中の花と緑公園一覧 ] [ Home ]



伊勢崎市某所で咲くキンラン、ギンラン 2015

2016年2015年(最初の紹介)
春・開花時キンラン・その後の経緯と秋の姿
更新日:2015/10/19
 伊勢崎市の某所でキンランとギンランが咲いています。

 里山や丘陵の林の中で4月~6月にかけて咲き、その昔、北海道を除く日本各地で見られたと言うキンラン、ギンラン。1990年代頃から急激に数を減らし、1997年には絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)として掲載されたとのこと。
 下草を刈り取るなど手入れされた里山や林が残され、生育に必要な菌根性樹木が生えて菌根菌が生成され、適切な養分と水分が補われ、かつ乱掘などの被害に合わなければ、どこでも自生するキンランとギンラン。「どこでも」と簡単に言いながら、そのような場所が伊勢崎市内にあるのでしょうか。
 伊勢崎市内のあちらこちらをサイクリングし、林や杜を見かける度に立ち寄っていますが、多くは公園や神社仏閣、または古墳や赤堀地区の丘陵の樹木で、野生のランに出会うことはありません。今回ここで紹介するキンラン、ギンランの自生地も花好きな友人から教えてもらった場所で、自力で見つけることは困難です。
 絶滅危惧II類なので場所をお伝えすることはできず、今回の紹介さえ躊躇した次第ですが、「伊勢崎市にもそのような場所があるんだ」と言うことを知っていただくために掲載しました。この場所で、開花中のキンランが17,18株、未開花の株が3,4株ありました。ギンランは一ヶ所にまとまって咲いていて、大きさはキンランより小さく、株数は7,8個確認できました。
 来年も再来年も、更にずっと咲き続けて欲しいものです。(2015/4/29 記)

 4月30日に再訪し、別の場所3ヶ所でキンランを確認できました。また、4月29日に確認したギンランについて再度株数を確認したところ、未開花の株も含めて19株確認できました。(2015/5/12 記)
 以下、キンランに関するWikipediaの記事引用です。太字と赤色はサイト管理人・丸男が付記。
【性質に関して】
 キンランの人工栽培はきわめて難しいことが知られているが、その理由の一つにキンランの菌根への依存性の高さが挙げられる。多くのラン科植物の場合、菌根菌は落ち葉や倒木などを栄養源にして独立生活している腐生菌である。ところがキンランが依存している菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成する樹木共生菌である。
<中略>
 外菌根菌の多くは腐生能力を欠き、炭素源を共生相手の樹木から供給されているため、その生存には共生関係を成立させうる特定種の樹木が必要不可欠となる。そのような菌から栄養分を吸収しているキンランは、樹木の作った栄養を、菌を通じて間接的に摂取しながら生きているとも言える。
<中略>
 このような性質から、キンラン属は菌類との共生関係が乱された場合、ただちに枯死することは無いが健全な生長ができなくなり、長期間の生存は難しくなる。自生地からキンランのみを掘って移植した場合、多くの場合は数年以内に枯死する。
<中略>
 現在のところ、一般家庭レベルの技術で共生栽培を成功させる手法は確立されていない

【保全状況】
 元々、日本ではありふれた和ランの一種であったが、1990年代ころから急激に数を減らし、1997年に絶滅危惧II類(VU)(環境省レッドリスト)として掲載された。また、各地の都府県のレッドデータブックでも指定されている。
 同属の白花のギンラン(学名:C. erecta)も同じような場所で同時期に開花するが、近年は雑木林の放置による遷移の進行や開発、それに野生ランブームにかかわる乱獲などによってどちらも減少しているので、並んで咲いているのを見る機会も減りつつある。

・開花時

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(1)ちょっと傾けて両手を広げたように咲くキンラン・満開 2015/4/29


(2)葉っぱとのバランスが気に入りました 2015/4/29

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(8)太陽光をたくさん受けて輝くように咲くキンラン 2015/4/29


(9)咲き始めたキンラン 2015/4/29



(15)日の当たる場所のキンランは既に満開 2015/4/29

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ギンラン


ギンランの株数は少な目。大きさもキンランより小ぶりです。 2015/4/29


キンラン・その後の経緯と秋の姿

掲載日:2015/10/19 ▲ページTopへ
 今年4月に紹介した伊勢崎市某所で咲くキンランとギンラン。その昔、全国各地の野で普通に咲いていたようですが、今では絶滅危惧II類の花。私も生まれて初めて見た花。元々は友人のKさんが数年前に見つけた花で、その後、開花時期も正確には知らないまま何度か足を運ぶと、今年の4月末、敷地のあちこちでたくさん咲いていて驚くやら感動するやら。
 早速にKさんに連絡し、その後、群馬県環境森林部自然環境課に伝え、群馬県議会議員であり自然環境と生物が専門の臂(ひじ)さんにも相談しました。超多忙な日々を過ごす臂さんですが、合間を縫ってすぐに駆け付けてくれて、敷地の施設管理者と共に一回り踏査確認。施設側でも探してくれて、それらを加えるとざっと30株ほどありました。
 その後、臂さんのご尽力等があって保護に関して新たな動きもあり喜ばしい限りですが、私自身がキンランの生態について詳しく知らないこともあって、先日、その後の姿を確認しに出かけて来ました。群馬県自然環境課の担当の方も、「地元の方々が見守って経過観察をしていただけると助かる」と言う趣旨の話をされていたので、そんな一役にでもなればとの思いも手伝っています。

 出かけたのは10月15日。伊勢崎辺りでは少し紅葉が始まった季節。キンランが咲く敷地は下草が丁寧に刈り取られ、早くも自主的に保護が始まっている様子。春の記憶を辿って一回り踏査すると、枯れた株、まだ葉っぱが残っている株、種を付けている茎など様々。場所によっては枯れ葉や木のチップに覆われていましたが、全体的にはまだまだ健在。

 開花状態の画像はウェブでたくさん見つかりますが、咲き終えた姿や種の画像はなかなか見つからず、今回見た姿が新鮮です。枯れた姿をまじまじと見ることも、このような機会がなければ滅多にありません。
 種についてはこぼれて新しい芽が出るのか、あるいは根でしか繁殖しないのか実態は分かりませんが、いずれキンランは外菌根とそれを生み出す樹木との共生関係で生きているので、それらの条件が揃った場所以外では育たないようです。この場所で命をつなぎ、いつの日か、市内の公園などで多くの人の目に触れるようになれば素晴らしいことです。
 以下に秋のキンランの姿を紹介します。来春、この場所で再び会えることを楽しみに。(2015/10/19 記)

2015/10/15

種を付けたキンラン 2015/10/15

2015/10/15

いくつかの株が集まったキンラン 2015/10/15

キンランの種 2015/10/15

2015/10/15

2015/10/15

全て枯れたキンラン 2015/10/15




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