3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、橋脚上の鋼製継手(フィンガージョイント)に段差が生じて一時交通止めになっていた五料橋は、4月1日には最徐行による車両の通行が可能になっていましたが、今日4月18日〜20日の3日間に亘り、路面の補修工事が行われます。 この間、車道と歩道が片側通行になります。 4月17日、現地を訪れてみると、損傷したジョイント部を応急処置として覆っていた鋼板が外され、路面には通行車両に注意を促すゼブラが引かれ、両側には警備員が立って通行車両に最徐行を促していました。 橋脚の支承部でも、工事が進んでいます。(2011/4/18 記) |
補修工事の案内(西詰の歩道) 2011/4/17 |
応急処置の鋼板が外された鋼製継手 (フィンガージョイント) 2011/4/17 |
損傷部 2011/4/17 補修工事が進む橋脚の支承部 2011/4/17 |
利根川をまたぎ伊勢崎市と玉村町を結ぶ国道354号の橋梁「五料橋」。 今、この五料橋が3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、橋脚上の鋼製継手(フィンガージョイント)に段差が生じ、車道が通行止めになっています。 2011/3/27、震災後、久々に利根川サイクリングロードを走り、気になっていた五料橋を渡り、破損箇所を橋面から、および橋脚側から確認して来ました。この日、段差を生じた継手部は既に応急処置として鋼板で覆われていましたが、車道は通行止めになっています。現地に立つ災害復旧工事案内によれば、工期は5月31日とのことです。 歩道については上流側の歩道が通行でき、利根川を渡って来る空っ風を真横から受けながら、多くの自転車通行者が利用していました。 現地に立つ案内板には段差を生じたジョイントの写真が貼られていますが、これは発生後の応急処置未対応の写真と思われます。 余談ですが、歩道外側の高欄部材が、空っ風に煽られて結構大きな音を発生することに驚きました。風琴(ふうきん)振動でしょうか。 段差部の写真を撮っていると、母子連れの子供に、「『地震が起きたらその場でしゃがんでくださいって』書いてあったけど、こんな場所でしゃがむの怖いよね〜」と話しかけら、「そ〜だよね〜」と応えながらも、橋長が500メートルを超す利根川の上でしゃがみ込んで、今回の規模の地震の揺れに耐えるのは確かに怖そうです。(2011/3/29 記) |
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橋面から |
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段差の手前の注意 段差を生じた場所の歩道部は、 ゴムシートで覆われたいましたが、 特に顕著な段差を感じませんでした。 2011/3/27 上流側の歩道は歩行者、 自転車のみ通行可 2011/3/27 「地震が起きたら、その場でしゃがんください」と書いてあります。 玉村側の橋梁端部 2011/3/27 |
ジョイントに段差を生じた車道部 鋼板を乗せて応急処置 2011/3/27 ジョイントに段差を生じた車道部。 鋼板を乗せて応急処置。 (上流側から下流側を見る) 高欄の横サンの伸縮機構は 正常に動作したようです。 2011/3/27 |
ジョイントに段差を生じた車道部 鋼板を乗せて応急処置 2011/3/27 下流側歩道のゴムジョイント。 歩道部には段差を確認できません。 2011/3/27 |
五料橋災害復旧工事・掲示板 玉村側の端部 2011/3/27 |
工事の様子を看板で案内 2011/3/27 |
工期は 2011年5月31日 となっています。 ・・・が、 現地の状況を見ると、 もっと早く完了するかも知れません。 |
五料橋を桁下から眺めて支承部や橋脚と桁の結合部から判断すると、橋梁形式は多径間連続PC変断面ラーメン箱桁橋梁のようです。多径間連続桁でしかもラーメン構造になっているので、単純桁形式に比べて不静定次数が高い形式です。ちょっと構造力学の専門的な話になりますが、不静定次数が高い形式は、簡単に言えば一ヶ所の支承部の破損程度では全体の破壊には至らず、耐震性能が高い橋梁と言えますが、地震時水平力はジョイント部や支承部に集中しますので、今回の破損もその挙動の結果ではないでしょうか。 この日、補修部は立ち入りできなかったので詳しく見ていませんが、阪神大震災の時に、高架橋で多く発生した橋脚上部のせん断破壊等が気になったので、他の橋脚について桁との結合部をざっと眺めましたが、ひび割れ等は見当たりませんでした。 今回の補修は段差が発生した鋼製継手部(フィンガージョイント)を点検し、ジョイントの破損があるならば交換も考慮、と言った補修を行うのではと予想しています。(2011/3/29 記) |
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桁下から |
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左岸堤防付近から 2011/3/27 赤い矢印の場所が補修ヶ所 2011/3/27 |
桁の下に支保工が組まれ、ジャッキが設置されています。 桁全体をジャッキアップしているようです。 2011/3/27 |
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歩道から上流を眺めれば、坂東太郎がとうとうと流れています。 左手には榛名山、右手には赤城山。 その間を遮るものが何もなく、 3月下旬とは言え、川面を伝わって来る上州下ろしはまだまだ冷たい。 この伸び伸びとした利根川の流れ。思わず足が止まります。2011/3/27 |